前回の記事は, MCMC はパラメーターを推定するだけではなく,データの生成にも利用できるというものでした。今回はデータが生成できて何がうれしいのかということを少しだけ真面目に考えてみます。 結論から言えば, MCMC の中にデータ生成を組み込むことで, MCMC が正しく実装されているかの診断ができるようになります。では,どのようにデータ生成が利用できるかを見ていきましょう。 なお,後でコードが出てきますが,一部の関数が定義されていないので動きません。動くサンプルは Gist で入手可能です。 前回のスライドに書いた通り,パラメーターからのサンプリングとデータの生成は,ちょうど入力と出力が逆になっている関係です。数式で表現すると次のようになります。 MCMC を経験していると,この並んだ 2 つの式が, Gibbs サンプリングに見えてくるかもしれません。そのように考えると,この 2 つ