4太平洋戦争によって家族が引き裂かれ、フィリピンで現在も「無国籍」の状態に置かれている残留日本人2世。しかし、日本国籍回復へのハードルは依然として高く、80代、90代となった残留日本人は次々と亡くなっている。「終戦80年を前にしたこの1年がラストチャンス」。支援者が焦りを募らせる中、日本政府はこの現実をどう受け止めているのか。時間との闘いの中、異国の地で国籍回復を願い続ける人たちの今を、再び追った。 (テレビ朝日報道局 松本健吾) ■沖縄で見つかった“父”の記録 実現した親族対面で悲願の国籍回復へ フィリピン・コロン島に住むアカヒジ・サムエルさん(82)。日本人の父とフィリピン人の母を持つ。「アカヒジ・カメタロ」という名の父は戦時中、フィリピンゲリラに殺害されたというが、生後間もなかったサムエルさんは、父の顔を覚えていない。 国籍取得に必要な手続きの一つである、両親の婚姻書類なども残されて