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ブックマーク / jp.ign.com (11)

  • 「ゴエモンのようでゴエモンでない少しゴエモンなゲーム」はなぜ注目されないのか?『豆狸のバケル』から見る半端なゲームの悲哀

    2023年11月30日に発売されたNintendo Switch向けソフト『御伽活劇 豆狸のバケル ~オラクル祭太郎の祭難!!~』(以下、『豆狸のバケル』)は、グッド・フィールが開発した3Dアクションゲームである。そう、元「がんばれゴエモン」のスタッフが立ち上げた会社が、まさしくかつてのゴエモンのような新作ゲームを作ったのである。 筆者にとってもグッド・フィールは今でも印象深いデベロッパーで、『ヨッシークラフトワールド』はかなり楽しんだ。もちろん、幼いころ「がんばれゴエモン」シリーズを遊んだこともある。特に好きなのは『がんばれゴエモン2 奇天烈将軍マッギネス』だ。友人とサスケを奪い合ってミニゲームをやり込んだものである。 さまざまな層にリーチしそうなゲームであり、ゆえに『豆狸のバケル』もいくらか注目を集めるはず……と思っていたのだが、想像より反響が少ない。ほかの人気作と発売時期が被ったとい

    「ゴエモンのようでゴエモンでない少しゴエモンなゲーム」はなぜ注目されないのか?『豆狸のバケル』から見る半端なゲームの悲哀
  • なぜゲームで行う“わるい行為”は魅力的なのか?『ホグワーツ・レガシー』から見る「正しさへの違和感」

    私が『ホグワーツ・レガシー』を遊んでいて気づいたのは、「自分は闇の魔法使いになりたいのだな」ということだった。 「ハリー・ポッター」シリーズを知らなかった私は、この世界にあるさまざまな魔法が(現実世界における)違法行為に使えるものばかりではないかと驚いた。ピッキングで鍵を開けてしまう「アロホモラ」はもちろん、人を殺せる「アバダケダブラ」に至っては直球である。 しかし、作においてプレイヤーは犯罪行為ができない。このゲームはオープンワールドのアクションRPGだが極めてリニアで、プレイヤーは良い子に矯正されてしまうのだ。前述のように犯罪のような魔法を使ったり、物を盗んだり、他人を悪く言う選択肢はあるものの、基は悪をくじく善人で、咎められることもほとんどない。 こうなると、私はますます悪いことをしたくなってしまう。とはいえ、そもそも犯罪行為は(現実世界では)リスクの高い行為であり、倫理的にもや

    なぜゲームで行う“わるい行為”は魅力的なのか?『ホグワーツ・レガシー』から見る「正しさへの違和感」
  • なぜ公式音源ではなく「カービィ」のアレンジ楽曲がグラミー賞を受賞したのか?さらば「非公認」~ゲーム音楽アレンジ/リミックスの新時代

    『星のカービィスーパーデラックス』のアレンジ楽曲「MetaKnight'sRevenge」が、第64回グラミー賞を受賞したことで話題を呼んでいる。大変おめでたいことであり、さっそくこれを聴いてみたという方も多いと思うが、そのアルバムクレジットにはNintendoやHAL研究所の権利表記が全くないことにお気づきだろうか。 先日の糸田氏による記事でも指摘があったように、ここにはアメリカにおける音楽著作権法の改定が影響している。実はここ数年の間に、海外におけるゲーム音楽アレンジ/リミックスを取り巻く状況は激変しているのだ。音楽サブスクリプション(特にSpotify)を日常的に使っている人ならお気づきだろう。こうした「許諾なしのゲーム音楽アレンジ楽曲」が堂々と、しかも商品として罷り通るようになってきているのだ。その背景で一体何が起きているのか。いい機会なので、その背景について解説しよう。 Spot

    なぜ公式音源ではなく「カービィ」のアレンジ楽曲がグラミー賞を受賞したのか?さらば「非公認」~ゲーム音楽アレンジ/リミックスの新時代
  • 任天堂が歴史に残り、セガが忘れられつつある理由とは? テレビゲーム総選挙やIGN本家の総合ゲームランキングにおけるセガ不在の要因を考える

    セガのゲームを愛するひとりとして、ときどき心配してしまうことがある。「セガのゲームは100年後も遊ばれるのだろうか」と。もちろん、100年後のことは誰にもわからない。だが、人類がこのまま生き残る限り、これだけは断言できるだろう「人々は任天堂の作ったゲームを忘れない」と。 約100年前、日には多くの文豪がいた。だが、今なお読まれ続けているのは夏目漱石や森鴎外に芥川龍之介とそのほんの一握りと言えるだろう。 80年代後半から90年代にかけて、日ゲーム大国だった。「マリオ」、「ゼルダ」、「ドラゴンクエスト」、「ファイナルファンタジー」、「ストリートファイター」、「メタルギアソリッド」など、この業界のアイコニックなフランチャイズの数々が生み出された。当時のゲームに詳しい人であれば、そこに「ソニック」や「バーチャファイター」に「スペースハリアー」といったセガのゲームも含めるはずだ。 ところが、黄

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  • 日本の文化的植民地となった昭和66年のアメリカを描く中国産ゲーム『昭和米国物語』が発表!

    『Dying: 1983』や『DYING: Reborn』を手掛けた中国の開発スタジオNEKCOM Gamesによる新作RPG『昭和米国物語(Showa American Story)』が発表された。プラットフォームはPS4/PS5/PC。 舞台は昭和66年のアメリカで、強大な経済力を手にした日文化的植民地となっている。言うまでもなく架空の設定だが、日経済がピークを迎えていた昭和末期、多くのアメリカ人が恐れていたような実態がもしも当に起きていれば、というような設定と言えるだろう。鯉のぼりや招きに地蔵、それからラムネのような飲み物といった日的な要素で彩られたアメリカ。自由の女神が着物を身に纏ってしまう「if」の世界線は日人にとっても感慨深いものがありそうだ。 だが、作はそんな世界設定を真面目に描くというよりも、B級映画のような雰囲気だ。この世界には10年ほど前からゾンビや化け

    日本の文化的植民地となった昭和66年のアメリカを描く中国産ゲーム『昭和米国物語』が発表!
  • セガ、『ジェットセットラジオ』や『クレイジータクシー』といった過去IPを復活させる意向を明らかに

    どの過去IPを活用するかは「精査中」 セガは2021年3月期の決算短信を発表し、過去のIPを活用していく意向が明らかになった。

    セガ、『ジェットセットラジオ』や『クレイジータクシー』といった過去IPを復活させる意向を明らかに
  • マーベルとソニーがスパイダーマン映画に関して交渉決裂――合意に至らなければスパイダーマンはMCUから離脱へ

    Deadlineによると、ソニー・ピクチャーズとディズニーはスパイダーマン映画に関して共同出資に関する合意に至らなかったため、マーベルは今後MCUでスパイダーマン映画を製作することはないという。ただしVarietyは、ソニーとマーベルが交渉で行き詰まってしまったものの、関係者の話では「ディズニーとソニーの間で合意に至る可能性はまだ残されている」と報じている。 両社が合意に至らなければ、マーベル・スタジオの社長ケヴィン・ファイギは今後のスパイダーマン映画から離脱することとなる。ディズニーは今後のスパイダーマン映画への共同出資に関して、50:50の条件を求めたが、Deadlineによるとソニー・ピクチャーズはこれを拒絶。ソニーはこれまで通り、ディズニーが初日の興行収益の5%を受け取るというような条件をキープしたいと望んでいた。ディズニーはこれを拒絶し、交渉は決裂した。もし2社が再び交渉の場に戻

    マーベルとソニーがスパイダーマン映画に関して交渉決裂――合意に至らなければスパイダーマンはMCUから離脱へ
  • 世界一空気を読まない青年・芭月涼と「時間」の概念――鈴木裕が「シェンムー」の主人公を語る

    『シェンムー 一章 横須賀』を初めてプレイしたのは中学生の頃だった。当時、主人公の芭月涼は僕にとって憧れの存在だったし、できることなら涼になりたいとすら思った。 だが、大人になってから気がついた。涼はいろいろと未熟なところがあり、これから成長するキャラクターなのだ、と。 涼の生みの親である鈴木裕氏と、『シェンムーIII』に関するインタビューをする機会に複数回も恵まれて、僕は聞きたくなった。鈴木氏にとって芭月涼とはどういうキャラクターなのか、彼はどういう人間なのか。 涼の旅は自己発見の旅 質問すると、鈴木氏はしばらく考え込むようにして、すぐに答えなかった。僕は「アバウトすぎる質問をしてしまったのかもしれない」と後悔したが、何も言わずに鈴木氏の言葉を待つことにした。 「横須賀からスタートして、いろんな人と出会って……」と彼は漸く語りだした。 「前は横須賀しか知らなかった。でも、横須賀の港で欧米

    世界一空気を読まない青年・芭月涼と「時間」の概念――鈴木裕が「シェンムー」の主人公を語る
    songe
    songe 2019/06/28
  • 『シェンムーI&II』レビュー、人を選ぶ傑作

    『シェンムー 一章 横須賀(以下、I)』は、発売した1999年当時の基準でレビューすれば、間違いなく満点でいい。あれほど「生きている」ゲーム世界は前代未聞だったし、探索の幅は昨今のゲームですらほとんどお目にかかれないほど充実していた。グラフィックスは同じ1999年のゲームと比べると大人と子供の差であり、すべてのNPCがフルボイスで話しかけてくるなど、10年以上先のスタンダードに達したという驚異的な作品だった。その2年後に発売した『シェンムーII(以下、II)』もまた、当時なら僕は満点スコアを与えていただろう。ストーリーがそのまま続き、システムやメカニクスも基的に前作から受け継ぎいでいるのに、これだけ前作と違うゲーム体験が作り出されたことに驚愕した。『I』はオープンワールドの元祖と呼ばれるけれども、『II』のいち部分はウォーキングシミュレーターやいわゆる雰囲気ゲーの先駆けでもあり、そのあた

    『シェンムーI&II』レビュー、人を選ぶ傑作
    songe
    songe 2018/12/05
  • 「ブレードランナー2049」の世界一複雑なセックスシーンはどのようにして作り上げられたのか

    「ブレードランナーであるKは、暴力を通してでしか肉体と触れあったことがありませんでした」 「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はケベック風の柔らかい口調からは想像できないほどの熱意を込めて語った。「彼は物の愛情を味わったことがありません。人間はレプリカントを嫌悪しているので、物の人間と触れあったこともありません。そして、同類のレプリカントも仲間殺しのブレードランナーを嫌っています」 「ですから、彼は孤独なのです。彼が唯一関係をもてる相手はジョイですが、ジョイとは物理的に触れ合うことができないので、この関係性は制限されています。実際のところ2人の関係は奇妙で深遠なものですが、完全ではありません」 映画の折り返し地点で、ヴィルヌーヴ監督と、脚家のハンプトン・フィンチャー、マイケル・グリーンは、Kとジョイの関係を「完全にする」方法を見つける。 AIのガールフレンド、ジョイ

    「ブレードランナー2049」の世界一複雑なセックスシーンはどのようにして作り上げられたのか
  • 「シェンムーIII」、芭月涼の「顔の進化」を振り返る

    誰が何を言おうと涼はイケメンだ。「シェンムーIII」の新トレーラーはgamescom 2017で公開されて、多くのメディアはキャラクターデザインや表情の硬さを批判した。シリーズの生みの親である鈴木裕はこれに対してキャラクターデザインは「仮のデータ」であると話し、トレーラーがまだ荒削りなものであることも認めた。 だが、これまでの開発途中の映像やスクリーンショットを全部見てきた筆者にとって、gamescomのトレーラーはむしろ様になってきた印象があり、「シェンムー」らしいといえるその映像に対して安堵すらした。主人公の芭月涼のキャラクターデザインもしかりで、それは紛れもなくあの頑固で無邪気なイガグリ涼坊の顔つきだった。それまでの開発中の映像やスクリーンショットに写っていた、あのなりすましでは決してなかったのだ。 この場を借りて、芭月涼のこれまでの「顔」の進化を振り返りたい。初代「シェンムー」の原

    「シェンムーIII」、芭月涼の「顔の進化」を振り返る
    songe
    songe 2017/08/26
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