[Part1] FRANCE/バブルがはじけた? フランス語版マンガの大手カナ社は、ブリュッセルのミディ駅近くにあった。 ベルギーはバンドデシネ(BD)と呼ばれる仏語圏独特の大判コミックスの出版が盛ん。一番有名なキャラクターは、愛犬と世界中で冒険を繰り広げる少年新聞記者のタンタンだろう。街中のそこかしこに描かれていた。 けれど、カナ社の応接スペースで迎えてくれたのは、ドラえもんの飾りが無数に下がるクリスマスツリー。それに陳列棚の上に並んだ新刊の仏語訳日本マンガ。 おおっ。その一癖あるラインアップに思わず目を奪われた。 右端に松本大洋「竹光侍」3巻目。山田貴敏「Dr.コトー診療所」18巻、神尾葉子「キャットストリート」3巻、枢やな「黒執事」1巻と続き、「闇金ウシジマくん」「さらい屋五葉」「バクマン。」などを経て、昭和の絵師、上村一夫の「凍鶴(いてづる)」で終わっている。 カナ社は、海外で最も