滋賀県のびわ湖で、全国有数のハスの群生地が消滅したことについて、専門家は湖の底を覆っていた粘土がほとんどなくなっていて、群生地を人工的に復元するのは難しいとする報告書をまとめました。 滋賀県立大学の小林圭介名誉教授は、このほど、調査の報告書をまとめました。それによりますと、20年前に調査した際は、湖の底がハスの生育に欠かせない粒の細かい粘土で覆われていましたが、現在はほとんど確認できず、砂地になっていることがわかったということです。 また、ハスの生育を妨げる水中のメタンガスが20年前に比べて、多いところで8倍に増えていたということです。 周辺ではハスに代わって、砂地に生えるヨシが広がり始めていて、報告書では「人の力でハスの生育環境を復元し、群生地を取り戻すのは難しい」と結論づけています。 小林名誉教授は「人が手を加えると、水質の悪化や生態系のかく乱を起こしかねない。自然の力に任せながら、試