法務省は10日、不法滞在の外国人に対して、どのような場合に特別に日本滞在を許可するかを示すガイドライン(指針)を改定したと発表した。 許可の基準を従来より緩和したものではないが、判断の際に特に重視する要素として「子どもが小中高校に在学していること」などを具体的に示した。自発的な出頭を促すことで、国内に約13万人いるとされる不法滞在者を減らす狙いだ。 法相は、強制退去手続きに対して異議を申し立てた不法滞在者に対し、裁量で「在留特別許可」を出すことができる。2006年に公表したガイドラインでは、許可の要件を「人道的配慮が必要な時」などとしたが、支援団体などからは「基準があいまいで、強制送還を恐れる人が出頭しにくい」との声が上がっていた。 新ガイドラインでは、許可しやすい事情として〈1〉子どもが日本の小中高校に在学中〈2〉不法滞在を自ら入国管理局に申告した〈3〉難病の親族を看護する必要がある――