経済産業省の元審議官(52)(官房付)による半導体大手「エルピーダメモリ」(東証1部上場、東京都)株のインサイダー取引疑惑で、元審議官が、勤務時間帯に携帯電話で株取引を行っていたことが、関係者の話でわかった。 証券取引等監視委員会は、携帯電話の通話記録などから取引の経緯を慎重に調べている。 同社は2009年4月、台湾の半導体メーカーとの技術提携を、同年6月には、公的資金投入による資本増強計画をそれぞれ公表。関係者によると、エルピーダ社の再建を担当していた元審議官は、それぞれの公表前に、妻名義の証券口座を使って同社株を買い付けた疑いが持たれている。 一連の取引は、携帯電話で証券会社と連絡を取りながら行われており、勤務中とみられるものもあったという。元審議官は、監視委の調べに対し、自身が電話で注文したことは認める一方、「妻から言われた通りのことを証券会社に伝えただけ」と容疑を否定している。同省