新作は、2009年公開の「マイマイ新子と千年の魔法」でのリサーチで、舞台となった山口県防府市に子どもの頃の清少納言が住んでいたことを知ったことがきっかけ。「マイマイ新子」にも後の清少納言となる、1000年前に生きた諾子(なぎこ)という少女を登場させたが、映画の完成後も、「この世界の片隅に」を経て、清少納言が生きた時代の調査を続けていたという。「義務教育でも習う『枕草子』の世界は、十二単を着て和歌を詠むようなつまらなそうな世界だが、歴史をたどるとそうじゃないことがわかった」そうで、中宮定子に仕えた清少納言は、紫式部に悪口を書かれたり、藤原道長の子分のスパイの疑いをかけられたりと、現代人が思い描く宮中の女性とは異なる人物像に興味を持った。 「『枕草子』は風流を書いているだけではない。ドキュメンタリーなんです。創作ではなく、清少納言は実際にあった出来事を書いている」といい、「春はあけぼの」の山を