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ブックマーク / satoshi.blogs.com (15)

  • 米マイクロソフト本社で目の当たりにしたビル・ゲイツの決断力

    6月1日発売の『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』には、いくつかマイクロソフト時代のエピソードが書かれていますが、これもその一つです。この「シカゴ対カイロ」の社内抗争はマイクロソフト時代の思い出の中でも、筆頭のものです。 ◇ ◇ ◇ ビル・ゲイツの意思決定は光速 ビル・ゲイツが仕事で重要視していたのは、"光速"と言っても過言ではない迅速な意思決定です。これについては、どのくらい迅速だったかを象徴するエピソードを紹介します。 あれは忘れもしない1995年1月、シアトルの冬らしい小雨の降る昼下がりのことでした。米マイクロソフト社内にはOSの開発に関する派閥争いがありました(OSとはマイクロソフトで言うWindows Vistaだったり、アップルでいうところのOS Xなどのパソコンやスマホを動かすための基ソフトのこと)。"カイロ"というグループと"シカゴ"という

  • 誰も言いたがらない「Sony が Apple になれなかった本当の理由」

    Sony や Panasonic が家電のコモディティ化で大赤字を出して苦しむ一方で、今や株価総額が日の大手家電メーカー8社の株価総額の3倍以上にもなった Apple(参照)。 この差に関しては、私も含めて、リーダーシップの欠如だとか、ゼネコン型のソフトウェア開発スタイルが悪いとか、ソフトウェアの重要性を理解しない経営者、などのさまざまな考察がされているが、その根底にあるのは、「大企業は一度正社員になった人は会社が倒産の危機にでもさらされない限り解雇してはいけない」という日特有の雇用スタイル。 家電業界の成り立ちは、日の家電メーカーが業績をのばしていた高度経済成長期とは大きく変わってしまった。ソフトウェアがものすごく重要になったのはもちろんのこと、ハードウェアに関しても、中国を含む東南アジアが「世界の工場」となった今、「何を自分で作り何をアウトソースするか」がコスト削減の上でも差別化

  • なぜ1000年に一度の天災を考慮する必要があるのか

    (追記)誤解している人が多いようだが、3月11日の地震+大津波は、日全体で見れば決して1000年に一度しかないまれな天災ではない(日全体で見れば、100年に2〜3度は起こると覚悟しておいた方が良い)。これは百歩譲って、それぞれの原発に、1000年に一度程度、原発の設計で想定している以上の天災が起こり、それがシビアアクシデントに繋がると仮定した場合の計算である。 ある原発がある年に「1000年に一度の天災」に襲われる確率 1/1000 = 0.1% ある原発がある年に「1000年に一度の天災」に襲われない確率 100% - 0.1% = 99.9% ある原発が40年間の間一度も「1000年に一度の天災」に襲われない確率 99.9% ^ 40 = 96.1% 54基の原発がどれも40年間の間一度も「1000年に一度の天災」に襲われない確率(追記:もちろん、それぞれの事象が独立していると仮定

  • そしてスティーブ・ジョブズは伝説の人となった

    CNetにGuy Kawasakiの "What I learned from Steve Jobs" という文章が出ているので一読をおすすめする。12項目のメッセージを簡単に解説するとこうなる。 評論家と呼ばれる人たちは実は何も分かっていない。彼らに耳を傾ける必要はあるが、振り回されてはいけない 顧客に何が欲しいかをたずねても答えは見つからない 不連続な変化を起こせ 難しいことにチャレンジするからこそすばらしい仕事ができる デザインへの徹底的なこだわりが違いを生み出す プレゼンの時には大きなフォントと大きな画像を使え 間違いに気がついたら恥じらいもなく方向転換をしろ 「価値」は「価格」とは違う 優秀な人材は自分より優秀な人材を雇いたがる。だめな人材はもっとだめな人材を雇いたがる 当のCEOは、自分自身で商品のデモをする 会社に必要なのは「研究者」ではなく「エンジニア」だ 「個性的」でか

  • いきなり Apple との契約違反をしてしまった au

    ついに、auからiPhone5が発売されることになったという記事が日経新聞に掲載された(参照)。 KDDI(au)が米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」を2012年初めにも発売する。扱うのは10月に全世界で発売される最新型の「iPhone5(仮称)」。日でアイフォーンはソフトバンクモバイルが事実上独占販売してきたが、これが崩れる。日の携帯電話会社の勢力図が再び大きく塗り替わる可能性がある。 iPhoneアプリの開発者としては喜ばしいばかりだが、この発表、いくつか不思議な点がある。 一つ目は、10月にiPhone5が発売されるということは、多くのアップルファンにとっては99.9%確実な周知の事実ではありながらも、公式には現時点では「噂」でしかないという事実。Appleほど新製品の発表に関する情報をコントロールする会社はなく、こんな風に携帯電話会社に

    いきなり Apple との契約違反をしてしまった au
  • なぜ日本では「市民運動」が格好ワルイいのか?

    原発事故以来、色々なことを考えているのだが、その一つが「なぜ日では民意がなかなか反映されないのだろう」ということ。泊原発の再稼働容認が典型的な例。これだけ多くの人が反対しているのにも関らず(参照、参照)、必要だったはずのストレステストもなく、原子力安全委員会の形だけの二重チェック(参照)で北海道知事の再稼働容認となった。 「政治家が票集めで忙しくて実際に国を運営しているのは官僚」「官僚の業界への天下りが官民の癒着を生み出している」「マスコミはスポンサーに不利になることは報じない」などの政府やマスコミにも大きな問題があるが、国民側にも若干問題があると思う。うまく表現するのは難しいのだが、 政府は「お上」であり、市民運動とは「お上にたてつくこと」に相当する という江戸時代から続いているメンタリティが根っこのどこかにあるのではないかと思う。それが「市民運動=左翼活動」というイメージを固定化させ

  • 「ネット新党」構想

    先のエントリーで述べた新党構想。頭の中を整理するためにも、漠然と考えていることを書いてみる。 ・バックグラウンド 今の日は、「誰が政治家になっても結局のところは国を動かしているのは官僚」というのが状態で、なかなか民意が反映されにくく、財政は悪化する一方である。今回の福島第一での事故を生み出した原因の一つもここにあり、この状態を根的に直さない限り、国民の政治不信は消えないし、国の発展もありえない。 ・ビジョン 政治家が「民意を反映した政策」を作り、官僚は政治化の手足となりその政策を実行する、という国民主権の国を作る。 ・ミッション 「民意を反映した国の運営」とはどうあるべきかを、党としての「活動資金の調達」、「政策の決定」のプロセスから根的に作り直し、政党の在るべき姿を身をもって示す。 ・設立のプロセス 自民党・民主党、およびすべての野党からこのビジョンに賛同していただける政治家を引き

  • 脱原発・脱官僚新党を作りませんか?

    7月28日の夜、菅首相に会って来た。原発問題に関して書いて来た私のブログが菅首相の目に止まり、「この男に会いたい」ということになったそうである。私自身も、海江田大臣の原発安全宣言から菅首相のストレステスト宣言に至る台所事情を知りたかったこともあるし、色々とお願いしたいことも会ったので、喜んで参上した、というしだいである。 具体的にどんな話をしたかは8月から開始するメルマガ(参照)の方に詳しくレポートする予定だが、私が菅首相にどうしても伝えたかったのは、東電を経済原理にのっとって破綻処理しなければ国民は納得しない、という点。「私は民意を反映した政策を打ち出し続ける限り、菅さんを支持し続けますが、万が一東電を救済するようなことになれば、その時点で支持を打ち切ります」と伝えて来た。 マスコミの「菅たたき」が激化し、支持率も低迷する中、私のように菅首相の発言や行動を純粋に政策面のみで評価する人はご

  • 私が事故後、脱原発派に転向した一番の理由

    先日のエントリーに、「論理的に考える力のない人が、 『放射能は危険』→『原発は不要』→『脱原発』 となっているのは理解できます。 普通に論理的に考える力のある人は、 『脱原発したときのリスク』を考え、 脱原発をしないほうがよいのでは?という意見の方が多いと感じています。 中島さんのような方が、なぜ、脱原発一直線なのかが理解できません。 脱原発について書かれるのはよいのですが、 一度、なぜ脱原発を訴えているのか?についても、この場に書いていただけないでしょうか?」というコメントをいただいたので、今回はその質問に答えてみる。 実は、福島第一原発での事故の第一報を聞いた時に最初に私の頭に浮かんだことは、「この事故は、日だけでなく、世界全体の原子力技術の発展に大きなブレーキをかける事になる。1000年に一度の津波のためにたまたま起こった事故のために、日のエネルギー政策を変更したり、原子力発電を

  • 菅首相はなぜ色々と重要なことをとうとつに発表するのか?

    ここのところ、浜岡原発の停止要請、ストレステスト、脱原発宣言、と色々と重要なことをとうとつに発表する菅首相。「党内の意思の統一ができていない」「政権維持のための人気取り」「思いつきで記者会見をしている」などの批判の声が多く聞かれるが、これに関しては、先日のテレビで古賀茂明氏(国民の負担を最小限にする東電の破綻処理の方法を提案した結果、退職勧告を受けてしまった経済産業省の人)がとても納得の出来る説明をしていたので(参照、参照)、私なりの解説をしてみる。 分かりやすく言えば、菅首相は東電(=原発推進派)相手のオセロゲームをしているのである。脱原発の菅首相が白、あくまで原発推進の東電が黒。オセロ盤の外にいる国民の多くは白(つまり脱原発)を応援しているが、選挙の時以外は盤面の外にいるので何もできない。盤面の上には、電力会社と政治家はもちろんのこと、経産省の官僚、原子力関係の学者、経団連に属する大企

  • 菅直人 vs. 経済産業省の戦いが壮絶になって来た

    福島第一原発での事故以来、私も含めてあまり一般の人たちに知られていなかった数々の問題点が見えて来たわけだが、一番注目すべきなのは、今回の事故の、そして事故後の政府と東電の対応のていたらくの諸悪の根源は東電でも管政権でもなく、霞ヶ関の官僚たちだ、という事実である。 そもそも日の原発を中核においたエネルギー政策は、米ソの冷戦時代に、日国民の「反核」感情が「反米→共産主義」という方向に傾きかけたとき、米国が「毒をもって毒を制す」と読売新聞の正力松太郎を利用して日の世論をコントロールして無理矢理押し付けたもの(参照)。「保守=原発推進、革新=反原発」という日特有の図式が作られたのもその時期だ。 最初は政治指導で原発を押し進めて来た霞ヶ関の官僚たちは、少しづつ「天下りの甘い罠」に陥り、電力業界と癒着し、星の数ほどの「天下りのための原発関連法人」を作り、「いまさら原発を辞めたら自分たちの将来が

  • ホリエモンを有罪にしておきながら、この東電の粉飾決算を見逃すことは許されない

    毎日新聞に「福島第1原発:東電が政府側に渡した文書の全文」という記事が載っているが、それを読んで少し驚いた。まさに東電と保安院がどんな形で、情報の隠蔽(正確には「原発事故の意図的な過小評価」)をしてきたかが良くわかる確固たる証拠だ(こんな文章が表に出る様になっただけ、日も捨てたものではない)。 とくに驚愕なのは、以下の部分。 (1)地下水の遮へい対策は、馬淵補佐官のご指導の下、『中長期対策チーム』にて検討を進めてきているが、「地下バウンダリ(発電所の周りに壁を構築し遮水するもの)」は現在、最も有力な対策と位置づけ。ただし、対策費用は現状不確定であるものの、今後の設計次第では1000億円レベルとなる可能性もある。 (2)今回の検討の過程で、政府側から国プロジェクト化の示唆(当初は国交省予算)があり、その前提で、設計着手と工事着工の前倒し案が浮上。ただし、現状では、担当府省がどこになるかも含

  • 政府の初動の悪さが生んだ大量の被曝者

    SPEEDIによるデータを公開しなかった理由は「パニックを恐れて」と聞いたが、SPEEDIによるデータをちゃんと利用せずに適切な避難指示を出さなかった国の責任は重い。 私の記録では、30キロ圏外でも浪江町や飯舘村の一部では、3月18日の時点で150μS/hという高い放射線が観測されていた(文部科学省発表の公式データ←【追記:URLを追加しました】)。当時、国は「ただちに健康に影響の出るレベルではない」と言っていたが、文科省が今回使った8時間屋外、16時間屋内(屋外の40%の放射線量)という数値を使って計算すれば、そのあたりに住む人たちは、妊婦や子供も含めて、3月18日だけで2.2mSの外部被曝を受けていたという計算になる。 今は30μS/h以下に下がっていることから考えると、その差(約120μS/h)は半減期の短い放射性ヨウ素からのものと考えて良いので、3号機から大量に放射性物質が放出され

    政府の初動の悪さが生んだ大量の被曝者
  • エンジニアから見た原発

    典型的な「理科系少年」として育った私にとっては、原子力発電は宇宙旅行人工知能とならぶ「人類の英知を集めた科学技術の結晶」であり、あこがれでもあった。ブルーバックスの相対性理論に関するはすべて読んだし、アインシュタインの書いた e=mc2 という式は私にとってはまさに「人類の英知」を象徴するシンボルであった。高校時代の前半までは、自分は物理学者になると確信していたぐらいだ。ひょんなきっかけからコンピューターの世界に足を踏み入れ、ソフトウェア・エンジニアとしての道を歩むことになったが、科学技術全般に対する情熱は今でも持っている。 そんな私なので、今までは当然のように「原子力発電」の支持者であった。資源の乏しい日にとって「石油が不要で、二酸化炭素を放出しないクリーンな原子力発電」こそ日にふさわしい発電方法であると信じていたし、自動車・エレクトロニクスに続く輸出産業としての原子力に期待もし

  • 日本のケータイが「ガラパゴス化」した本当の理由

    「ガラパゴス」という言葉が今年の流行語大賞の候補に選ばれたということを聞いていたので、密かに受賞しないかと期待していたのだが、残念ながら大賞は逃したようだ(もし大賞に選ばれていたら、私が受賞することになったのかどうかの疑問はこれで解けずに終わってしまった)。しかし、この言葉をずいぶん前から使っている私としては、この言葉が一人歩きしているようでなんとも言えない気持ちなのでひと言。 まず最初に断っておくと、私が2001年のCTIA(米国の携帯電話業界で一番大きなカンファレンス)のスピーチでこの言葉を使った時は、単に日という「単一民族で、国民の大半の生活レベルが同じで、家電とか携帯電話のようなガジェットに流れるお金が比較的多い」という特殊な環境で、iモードを中心に「ケータイ・ライフスタイル」が異常なスピードで進化をとげていることを表して、「ガラパゴス現象」と呼んだだけのこと。決してネガティブな

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