『医学的根拠とは何か』(津田敏秀/岩波新書) 帯の文「医師はなぜ判断を誤るか 福島、水俣、薬剤データ改ざん──すべて根は同じ」 “日本の医学専門家は科学的根拠に基づいた判断ができない。(…)根拠の優先順位を間違えたり、直感で判断し、間違った根拠を示す研究者があとを絶たない。その結果、序章に紹介するような事例をはじめ、数々の有名な事件において、対策の遅れと被害の拡大をもたらしてきた。むしろ、対策の遅れゆえに大事件に発展したと言える。” 津田敏秀『医学的根拠とは何か』(岩波新書)の「まえがき」からの引用だ。 序章で紹介されている事例は3つ。 1 放射線による発がんの可能性 2 水俣病の認定をめぐる最高裁判決 3 PM2.5──見過ごされた大気汚染問題 いずれの事例も「医学的根拠」が問題になっている。 医学的根拠とは何か? 本書は、「医学的根拠は三つ存在する」と主張し、こう解説する。 直感派:医