「最も大事なのはユーザー」うち以外は口先だけ <2005年〜2008年 《プライド》 世界中にファンを獲得、革新的な製品とサービスを追求する黄金期> アップルでは、あらゆるものに対し「ユーザーにとってどれだけ簡単になるか? ユーザーにとってどれだけ素晴らしいものになるか?」と問いかけている。それはピクサーも同じだ。映画界の人はみな、よいアニメ映画をつくるには一にも二にもストーリーだって言うだろ。 でも、実際に映画を作る時、ストーリーに問題があっても制作を中断しない。ちゃんとおかねをかけてストーリーを修正しないんだよ。 まさにこれと同じことがソフトウェアのビジネスでも言える。 「ああ、最も大事なのはユーザーだ」とみんな言うけど、うち以外は口先だけだね。 ――『フォーチュン』誌 2005年2月21日 自分が大好きなことを見つけなければならない。それは恋愛でも仕事でも同じだ。今後は仕事がみなさん
長期に渡りご愛読いただいた本連載も、今回で1つの区切りを迎えることとなった。今後も新製品発表の折などに寄稿していく予定だが、レギュラーコラムとしてはこれが最終回である。そこで、ここでは現在のAppleを作り上げた過去の名機を振り返り、改めて同社の未来に思いを馳せることにした。もちろん、この他にも記憶に残る製品は数多く存在するものの、エポックメイキングだったものを中心に絞りこんでまとめている。 現在のPCの原型となった初代MacintoshAppleという企業が、最初の立ち位置を確立するうえでは、Apple IとIIが果たした役割を忘れるわけにはいかない。しかし、こと現在のGUIベースのPC(Windowsマシンを指すPCではなく、広義のパーソナルコンピュータという意味での)の原型を確立したという意味において、大きなマイルストーンだったのは、やはり1984年の初代Macintoshだといえる
Appleフェローのフィリップ・シラー氏が、イタリアのスポーツカーメーカー、ランボルギーニ(Lamborghini)のインタビュー動画に登場し、Apple製品開発における理念やイノベーションについて語ったほか、カーマニアぶりも披露しています。 フィリップ・シラー氏、ランボルギーニの50周年記念動画に登場 Appleに30年以上勤務し、ワールドワイド・マーケティング担当上級副社長をつとめ、2020年にAppleフェローに就任したフィリップ・シラー氏が、ランボルギーニが1974年に発売しスーパーカーブームを巻き起こした名車「カウンタック」の50周年を記念したインタビュー動画「COUNTACH LEGACY」に出演しています。 シラー氏が出演する動画は2部構成です。動画の「CC」アイコンから、日本語の字幕を表示することもできます。 テクノロジーとリベラルアーツの交差点 1つめの動画でシラー氏は、
テクノロジーライター、Gマーク・パートナーショップ「AssistOn」取締役。 スティーブ・ジョブズ、ビル・ ゲイツ、スティーブ・ウォズニアックのインタビュー記事をはじめ、IT、カメラ、写真、デザイン、自転車など様々な分野の文筆活動や、製品開発のアドバイスを行う。 主な著書・共著書に『成功する会社はなぜ「写真」を大事にするのか』(講談社現代ビジネスブック)、『インテル中興の祖 アンディ・グローブの世界』(同文舘出版)、『ICTことば辞典』(三省堂)など。主な訳書に『Apple Design 日本語版』(アクシスパブリッシング)、『スティーブ・ジョブズの再臨』(毎日コミュニケーションズ)など。 最新刊として、『ルンバをつくった男 コリン・アングル「共創力」』(小学館)。 AssistOnホームページ:https://www.assiston.co.jp ビジネスを変革するテクノロジー 今やテ
ジョナサン・アイブはスティーブ・ジョブズの最も近い友人であり、iPad、iPhone、iPod,そしてMacBook Airなどのデザインの責任者を務めました。 ジョナサンがデザインしたプロダクトは現在、食事をする時、仕事をする時、旅行に行く時など様々な場面で使われていますが、彼いわく、消費者の99%はアップル製品をデザインするのにかかった苦労を知らないとして、次のように述べています。 「80%の仕事はすべて失敗に終わる。大切なのは良くないと感じたら、すぐに作業を辞める勇気を持つ事だ。ジョブズはいつも口癖のように言っていた。”これで十分か?”、”これが正しいことか?” ってね。」 ↑ジョナサン「アップル製品のデザインにどれだけの想いが込められているか、99%の人は知らない。」(Simon D:Flickr) デザインチームはたった18人の小さ
Appleの最高デザイン責任者のジョナサン・アイブ氏が、ファッションブランドDior Menのクリエイティブ・ディレクターのキム・ジョーンズ氏と対談し、これまでに存在しないものを作るときどのように責任をとるべきかを語りました。 何か新しいものを作るとき、何が起こるかわからない アイブ氏は、Appleの環境・政策・社会イニシアティブ担当上級副社長のリサ・ジャクソン氏の功績について触れながら、新しいものを作る際の責任をとることの難しさについて述べました。 社会的、文化的な領域において責任をとるというのは複雑なことだ。イノベーションを起こしていて何か新しいものを作るとき、何が起こるかわからない。最も重要なことのひとつは、段階に応じて何を自分の責任とみなすかだ。出荷が完了した時点で責任を果たしたことにはならないだろう。何か新しいものを作るとき、何が起こるかわからないが、その結果に対応する責任がある
13年前の米国現地時間12月23日(日本時間12月14日)、AppleはあのiPhoneを象徴する”Slide to Unlock(スライドして解除)”といういわゆる”ジェスチャーアンロック(スワイプアンロック)”の特許を出願した日です。 当時まだiPhoneはリリースされておらず(初代iPhoneがリリースされたのは2007年)、iPhoneは”Project Purple”として社内においても関係者以外には極秘のプロジェクトでした。しかしその時点で、Appleは直観的に操作でき、技術的にも競争力のあるあのジェスチャーを考え出し、特許を出願していたのでした。もし現在このような技術特許がAppleから出願されたら大騒ぎになっていたかもしれませんが、当時はAppleの1つ1つの特許にまで注目していたメディアはまだ少なかったのかもしれません。 “Slide to Unlock”はiPhoneの
産業の停滞から脱出するチャンスを伺っていたジョブズは、日本から未来のヒントを得た(写真:ロイター/アフロ) ■Appleに停滞脱出のヒントを与えた日本 1998年、ジョブズの創出した産業は黄昏の時代に入りつつあった。値引きとスペック競争だけとなったパーソナルコンピュータは、もはや時代を熱狂させるポジションを失いつつあった。 PC、インターネットの普及。その次に世界を変えるのは何か。それを見つけなければ、Appleは時代遅れとなって衰退してゆかざるをえないのだった。昨今の日本も似た状況かもしれない。 シリコンバレーでは、未来の本命はビル・ゲイツの提唱する「通信と放送の融合」だという意見が強かったが、ジョブズは懐疑的だった。 「みんな情報家電とか『ポストPC』(パソコンの次に来るもの)とか騒いでいるけど、ほんとうに上手くいってるのは2、3かな。Palm(個人情報端末)とPlayStation、
Appleの最高デザイン責任者であるジョナサン・アイブ氏と、ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長のダン・リッキオ氏が、iPhone Xについて米TIME誌に語りました。 未来を見据えたゆえの決断 米TIME誌は「2017年最高の発明25選」に選んだiPhone Xについて、2人へのインタビューを行いました。リッキオ氏は、ベゼルが薄く、前面がほぼディスプレイで覆われ、指紋認証に代わって顔認証システムFace IDを採用したiPhone Xは「文字通り夢の実現」と語っています。 しかしそのためには、これまでのiPhoneが搭載してきたホームボタンを廃止する必要がありました。これについてアイブ氏は、iPhone7/7 Plusで3.5ミリヘッドホンジャックをなくしたのと同様、「未来を見据えた」ゆえの決断だったとし、次のように述べています。 これまで便利だった機能に固執するのは、(その開発に
去る10月5日、スティーブ・ジョブズが亡くなって6年が経過した。人類の生活を変えた彼の足跡を讃え、全7回に渡ってジョブズが音楽産業に残した影響を振り返ってゆく。第3回は、iPodに見るジョブズ流の製品開発だ。 ■音楽生活を変えたジョブズのアイデア iPod開発のプロジェクトが実行段階に入ると、ジョブズは毎日、細かいところまで参加するようになった。『アイデア病』を恐れたのだ。 「ジョン・スカリー(元Apple CEO。かつてジョブズを解雇した)がかかったひどく深刻な病がある。多くの人がその病にかかったのを見てきたよ。すばらしいアイデアが出れば仕事の9割が片付いた気になって、アイデアをスタッフに渡せば作業に入って実現するって勘違いするんだ」 復帰する2年前にジョブズはインタビューで答えている(※1)。アイデアの実行に入ると、様々な障壁にぶち当たる。問題が想像以上に複雑だったと気づく。それはわれ
世界で、非常に多くの人がApple製品の”デザイン”に惹かれてその製品を購入しているのは周知の事実です。確かにApple製品は一種の他のメーカーの製品にはない気品に溢れています。他のメーカーは形だけは真似してきていますが、最終的にAppleの気品までは模倣することはできていません。そしてApple製品にこのような独特な気品を作り出している最大の功労者といえば、Appleファンにとってはもう言うまでもないかもしれませんが、スティーブ・ジョブズのApple復帰後から現在までAppleのデザインのトップをつとめるジョニー・アイブ(Jony Ive)に他なりません。 先月発表された【iPhone X】は、Appleのスマートフォン有史以来最大の変革があったといっても過言ではありません。まず全面ディスプレイの導入によって、最新のテクノロジーをその一身に集めています。そして価格もかつてないほど高いのも
さてさて今回は「Apple Design」という分厚い冊子に興味深いことが書かれていたので、 その一部分をブログを通してみなさんにシェアしたいと思います。 style="display:inline-block;width:336px;height:280px" data-ad-client="ca-pub-3481943934845626" data-ad-slot="8806407289"> 「Apple Design」とは 数名の教授や会長・専門家らがAppleやApple製品のデザイン的な部分を中心に丁寧な分析・解説がされている分厚い本です。 歴代のApple製品の写真も多く載っています。 Appleが自らを業界のテクノロジーリーダーと標榜したことは一度もありません。たいていは、まず既存のテクノロジーの長所を取り入れ、次に個々の製品の革新的な機能や用途に応じて適切な変更を加える、と
さて、日本でもとうとう「ポケモンGO」がローンチされました。皆さんも恐らくご存知の通り、一足先にリリースされたアメリカではもはや社会現象になっています。ローンチからたった一週間ですでにモバイルゲーム歴代最高のユーザー数を獲得し(!)、アクティブユーザー数ではTwitterを追い越しました。僕が住む比較的郊外でさえ、道を歩けばポケモンGOをプレイしている人と何度もすれ違います。アメリカに住んで12年、こんなことは初めてです。とにかく話題で持ちきりのポケモンGO、このゲームを任天堂と共同で開発している会社がサンフランシスコにあるNiantic, Inc.です。 Niantic, Inc.は元々Googleの社内スタートアップとして始まり、これまでにIngressというモバイルゲームを開発してきました。Ingressのゲームコンセプトは陣取りゲーム。ゲームフィールドは私たちが住む現実の世界そのも
バルミューダ『The Toaster』は2万4732円のトースターだ。 トースターの相場からするとすさまじく高いが、百貨店などを中心に、発売まもなくクリーンヒットを飛ばしている。普通ならトースターの需要が落ちはじめる8月に入ってもなお、予約注文が止まらない状態だという。 売れる理由はトーストをおいしく焼きあげるテクノロジーだ。水5ccほどのスチームを使い、外側をサクッと、内側をジワッと焼きあげる。市販の食パンやコンビニで売っているようなパンを焼いてみると、思わず笑ってしまうほどうまい(詳細)。 トースト、チーズトースト、クロワッサン、フランスパンの専用モードを用意。普通のトースターなら黒焦げになるクロワッサンもうまく仕上がるのが特徴のひとつだ。 しかし、今回のトースターは今までバルミューダが作ってきた製品とはかなり路線がちがう。代表作の高級扇風機『GreenFan』とは、まるで正反対に変わ
「デザインは化粧ではない」――。この言葉は、書籍『ジョナサン・アイブ』の中で、スティーブ・ジョブズの言葉として度々登場する。「化粧」というのは、製品のうわべだけきれいにすることを表している。これに対して、本連載の第1回で紹介したように、アップルやジョナサン・アイブは、ユーザーが製品をどう感じ、どう使うかまで意図して開発することを「デザイン」と受け止めている。 「我々が目にする製品の多くは、ただ見た目を変えることだけを目標につくられている…イノベーションがないばかりか、純粋に時間や持っているリソース、より良く仕上げるための十分な気遣いをすることもなく…」(ジョナサン・アイブ/2007年) このアイブの言葉から8年がたち、iPhoneがあれだけ大成功をおさめた今でも、製品の見た目だけを差別化する「お化粧」でつくられた製品を数多く目にする。家電量販店の一部の陳列棚は、まるでこの「厚塗り化粧商品」
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