橋下徹大阪市長の発言はほぼ毎日、何らかの形でニュースになる。関心をひく言葉を次々と繰り出すからだが、思えば昨年11月の「大阪秋の陣」でも演説によって劣勢からの逆転劇を演じた。ハシモト流スピーチ術の極意とは何か。専門家が分析すると、あの独裁者が用いた手法に酷似しているというのだ。 近著『独裁者の最強スピーチ術』(星海社新書)で、橋下氏の話術を徹底解剖したのは、スピーチ&演説分析家の川上徹也氏。比較の対象として取り上げたのは、悪名高い独裁者のアドルフ・ヒトラーだ。確かに橋下氏は昨年6月、パーティーの席上で「今の日本の政治に必要なのは独裁ですよ」と発言して以来、「独裁者」のイメージが付きまとっている。 「歴史上にはさまざまな独裁者が存在した。しかし、地位を確立した方法はほとんどが武力か世襲。言葉の力、演説により、合法的に政権を奪取したのはヒトラーだけ。言葉を巧みに操る橋下氏に近いものを感じ、