政治家や首相官邸、各省庁とのやりとりについて、経済産業省の複数の職員が「三月に上司から『今後は発言を一切記録に残すな』と指示された」と本紙に証言した。本紙が入手した経産省の内部文書にも、省内外の打ち合わせの記録について「議事録のように、個別の発言まで記録する必要はない」と明記されていた。職員によると、四月以降、省内では公文書となる打ち合わせ記録には詳しい発言内容を残さなくなったという。 (望月衣塑子、藤川大樹、中沢誠) 森友学園や加計学園などの問題を受け、改正された政府の公文書管理のガイドラインでは、行政の意思決定の過程を検証できるよう文書の作成を求めている。経産省の運用では十分な検証ができない恐れがある。 文書を作成した情報システム厚生課の担当者は「(公文書管理を所管する)内閣府に確認して決めた。一言一句残しておく必要がないという趣旨で、『一切残すな』という意味ではない」と主張。内閣府公