山中 浩之 日経ビジネス副編集長 ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。 この著者の記事を見る
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三木 雄信(みき・たけのぶ)氏 三菱地所を経て、1998年にソフトバンクに入社。2000年に社長室長に就任。孫正義氏の下で、「ナスダック・ジャパン市場開設」「Yahoo! BB事業立ち上げ」などにプロジェクトマネジャーとして関わる。2006年にジャパン・フラッグシップ・プロジェクトを設立し、社長兼CEOに就任。ベンチャー企業から上場企業まで投資すると同時に社外取締役として支援している。内閣府原子力災害対策本部では、廃炉・汚染水対策チーム・プロジェクトマネジメント・アドバイザーとして支援している。『世界のトップを10秒で納得させる資料の法則』(東洋経済新報社)、『孫正義「規格外」の仕事術』(PHPビジネス新書)など著書多数。 三木:僕はソフトバンクの社長室長をしていた頃、孫社長が出席するすべての会議に同席し、稟議書や契約書に捺印するのを全部見ていました。そこで、孫社長を納得させる資料作りを学
「MVNOに関する勉強会を開きますので、ぜひご参加ください」 4月の半ば、楽天から案内があった。ありがたい話である。 MVNO(仮想移動体通信事業者)とは、最近人気の格安スマートフォンのことだ。巷では楽天モバイルやイオン・モバイルといった格安スマホが大人気。何でも月々の料金がNTTドコモなど大手キャリアの3分の1になるらしい。おまけに5月からは「SIMフリー」というスマホがどどっと発売され、キャリアに縛られず好きな端末が使えるようになるという。 実はシニア記者もかねて興味津々だった。だが人間だれしも年を取ると保守的になる。「安かろう、悪かろうだったらどうしよう」。若いころ、やたらめったら新しいものに手を伸ばし、「だからやめろって言ったのに」と笑いものになった経験は知れず。 記者デビューを果たしたばかりの1989年、スマホはおろかパソコンですら一般的でなかったあの頃、最初のボーナスをはたいて
業績低迷にあえぐイオンが、商品政策の中核である同社のPB(プライベートブランド)「トップバリュ」の開発体制を180度転換することが、本誌の取材で明らかになった。 まず、現在6000品目を超えているアイテム数を大幅に削減する。その規模は既存アイテムの4割弱に達する見込みだ。 トップバリュはイオンの看板商品として、これまでグループが総力を挙げて積極的に販売してきた。2014年度には売上高は約7800億円に達している。だが、「安さ」の訴求に偏った商品展開をしてきた結果、ブランドイメージが悪化し、売り場の魅力を損なう一因となっていた。こうした状況に、抜本的なメスを入れる。 イオンは、既存のカテゴリーでトップシェアのNB(ナショナルブランド)商品をベンチマーク(比較対象)にして、トップバリュを開発してきた。カテゴリートップのNB商品に近い品質の商品を、より安く提供することが狙いだ。こうした“NBベン
会の冒頭、壇上に上がったGS証券の持田昌典社長が「これは日本の持続的成長、地域発展のための、重要な社会的投資である」と力強く述べると、会場からは大きな拍手が上がった。彼が話したその「投資先」は、もしかしたら読者にとって意外なものかもしれない。それは成長余地が大きいとみられるような企業ではなかった。貧困にあえぐ、困窮者だ。 GSが取り組む「貧困の連鎖の防止」 シンポジウムではまず、日本の「子供の貧困」問題の第一人者として、国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩・社会保障応用分析研究部長が基調講演した。その後、外部団体によるGSグループの貧困問題に関わる活動の評価、支援プログラムの適用を受けた人のスピーチなどに移っていった。 GS日本法人は2010年から、「コミュニティ支援プログラム」と題して、日本で「貧困撲滅」に向けた様々な活動をしている。主な内容は児童養護施設で暮らす子供たちへの「進学支援」
今回は、「理解不能な事態はなぜ起きるか?」について、あれこれ考えてみる。 ご存知の方も多いと思うが、JR東日本の子会社で商業施設を運営する「ルミネ」が、インターネット上の動画サイトで公開していた動画CMについて、「不快に思われる表現があった」として、ネットから削除した。 ルミネの炎上CM、いろんな意味ですごすぎる 問題となったのは、「働く女性を応援」をテーマにした約1分間の動画CM。男性上司が、会社の2人の女性たちの容姿を比較するような発言をしたことに対し、 「これってセクハラじゃん!」 「何これ? なんでセクハラ上司のために変わんなきゃいけないわけ?」 「こんなCM見せられて、誰が服買おう!なんて思うんだ」 「明らかに女性軽視!」 「巻き髪して、ミニスカはかなきゃ、女じゃないってこと?」 などなど、女性のみならず、男性からも非難が殺到し、一気に炎上したのだ。 また、過剰反応か……と、少々
ここで、一つ根本的な問題について考えたいのですが、「戦争」とはなんでしょう? 例えば、戦争と紛争はどう違うのでしょうか。『本当の戦争の話をしよう 世界の「対立」を仕切る』のなかで、「戦争」は国同士が巨大な軍事力を用いてドンパチやるもの、「紛争」は国内での内戦や、国同士の武力行使に至ってないレベルの小競り合いのことを指す、とありましたが……。 伊勢﨑:それは難しい問題ですね。その矛盾が、国際法上の議論として顕在化したのが、9.11のアメリカ同時多発テロ事件でした。それまで、テロというのは、どちらかというと、社会の問題だったんです。それが、国境を跨ぐ場合は、警察間協力、インターポール(国際刑事警察機構)の世界だった。 犯罪者を捕まえるために銭形警部が世界を駆け回る、というイメージですね。 伊勢崎賢治(いせざき・けんじ) 東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授。1957年東京都生まれ。早稲田大
伊勢﨑さんは普段、東京外国語大学で、PCS(Peace&Conflict Studies:「平和と紛争」学)を世界の紛争地域からやってきた外国人学生たちに教え、研究していらっしゃるんですよね。そもそも国際的な揉め事の起こっている地域に関わるようになったきっかけはなんだったのでしょう? 伊勢﨑:大学時代は、早稲田大学で建築学を専攻していました。なかでも意匠建築といってデザイン寄りの勉強をしていたんです。もともと画家になりたかったので、美術方面に興味があったんですよね。だから建築のなかでも、アントニオ・ガウディやアメリカのブルース・ガフのつくる、有機的な芸術性の高い建築物が好きでした。そのころ日本でかっこいいともてはやされていた某建築家の、パキッとした無機質な建築物には興味がなくて(笑)。でも、日本でガウディみたいな建築物はつくれないじゃないですか。 そうですよね(笑)。 伊勢崎賢治(いせざき
崎谷 実穂 ライター/編集者 北海道札幌市生まれ。人材ベンチャーでコピーライティングを経験後、広告制作会社で新聞広告を担当、100名近くの著名人などに取材。2012年に独立。ビジネス系の記事、書籍のライティング・編集を中心に活動。 この著者の記事を見る
戦後70年となる今年、日経ビジネスオンラインでは特別企画として、戦後のリーダーたちが未来に託す「遺言」を連載していきます。この連載は、日経ビジネス本誌の特集「遺言 日本の未来へ」(2014年12月29日号)の連動企画です。 第22回は、京セラ名誉会長の稲盛和夫氏。日本を代表する名経営者の1人として、戦後の日本経済を率いてきた稲盛氏。この数年は経営破綻した日本航空の再建でも、その経営手腕が大きな注目を集めた。経営者の勉強会「盛和塾」の活動を通して、多くの中小企業経営者にエールを送る一方で、市民を対象にした講演会も重ね、自身の哲学を語ってきた。その稲盛氏が、改めて日本人に託すメッセージとは何か。 終戦の時のことは、よく覚えています。 玉音放送があると町内会で聞いて、私は家族そろって、家でラジオの前にいました。ところが、あの時の玉音放送はザーザーザーと雑音がありまして、天皇の声も抑揚のある非常に
アップル初のスマートウオッチ「Apple Watch」がいよいよ4月24日、世界9カ国・地域で発売される。中国では、スマートフォン(スマホ)iPhone 6は日本や米国から約1カ月遅れで発売されたが、Apple Watchは発売第1弾のエリアに入った。日本では、「これが時計なの? と驚かせるようなアップルらしさや革新性に乏しい」「既存製品を上回る新味がない」「初代iPhoneのような、どうしても欲しい!と思わせる何かがない」など、製品発売前の現時点で出ている反応には、イマイチ、の評価が目立つ。中国での評価も概ね同じ。 ただ、ケースに18金を使い日本での販売価格が128万円(税別)からに設定された最上位モデルの「Apple Watch Edition」は、ゴールドカラーのiPhoneが爆発的に売れた中国を意識したラインアップだとの観測もある。いずれにせよ、今年上半期に出る製品の中で最も注目さ
仁藤:困窮状態にある10代の女の子を中心に支援活動をしています。中身としては大きく分けて4つあって、1つ目が夜間巡回と相談事業。夜の街を歩いて、ひとりでいる女の子とか、帰れずにいる少女たちと出会うような活動と、全国から寄せられる相談に対応します。 手法は様々で、直接会うこともあれば、LINEや電話を通してということもあります。やっぱり本人たちになじみのあるツールからの連絡は多いですね。去年1年間で90数人から相談があって、そのうちの3割ぐらいが地方の子でした。北は北海道から南は九州まで。週末に講演で全国を回っていますが、その機会を使ってその土地で相談者に会うようにしています。 一緒に食事することが支援に 仁藤:活動の2つ目が、食料面での支援です。これにはとても力を入れていて、一緒にご飯を作って食べたりするような場所や時間を持つんです。本当に貧困状態の子は、今日食べる物がないとか、誰かと食卓
DeNAとの業務・資本提携を発表し、世間を驚かせた任天堂。メディアや市場は、これまで頑なにスマートデバイス向けゲーム市場への参入を拒んできた同社が“方針転換”したとして、その“変質”を一様に評価した。だが、これから何が起きるのか、具体的なことは何も明かされていない。分かっているのは、「マリオ」など人気の知的財産(IP)を生かしたスマートデバイス向けゲームをDeNAと共同で開発・運営する、そして、ゲーム専用機も含めた複数のデバイスをまたがる新たな会員制サービスを立ち上げる、ということだけだ。 任天堂はDeNAと手を組み、いったいどんなゲームやサービスを作ろうとしているのか。そして、ゲーム専用機の未来をどう考えているのか。岩田聡社長が「これからのこと」を語った。(聞き手は井上理) 前編「任天堂・岩田聡社長激白、『時が来た』」をお読みでない方は、こちらからお読みください。 これから、DeNAと一
マクドナルドの苦戦が続いている。2月下旬の週末、横浜市内にあるマクドナルドの大型店を訪れたところ、昼時にもかかわらず、客はまばらで店員の方が多いほど。週末の郊外型の店舗では、こうした光景が珍しくなくなった。 なぜマクドナルドから、客が離れたのか。大きな影響を与えているのが、言うまでもなく「チキン問題」だ。2014年7月、チキンの加工を委託している中国の工場が、使用期限切れの鶏肉を使用していたことが発覚した。 日本マクドナルドホールディングス(HD)の同月の既存店売上高は、前年同月に比べて17%減少。さらに、今年に入って、日本全国の店舗で、「ビニールの切れ端」などの異物混入が発覚したことが、追い打ちをかけた。同社が発表した今年1月の既存店売上高は39%減と、2001年の上場以来、最大の落ち込みとなり、2月以降も回復の兆しは見えていない。 チキン問題と異物混入が引き金となったのは間違いないが、
小山 昇 株式会社武蔵野 社長 1948年山梨県生まれ。76年に武蔵野に入社し、89年から現職。赤字続きの同社で経営改革を断行。2000年、2010年に日本経営品質賞を受賞。ダスキンの加盟店業務の傍ら、550社以上に経営を指導。 この著者の記事を見る
世界中に悪名をとどろかせている過激派組織「イスラム国」。2014年6月に“イスラム国家”の樹立宣言をして以来、イラク、シリア両国で強い勢力を維持し続けている。 これに対峙するイラク軍はどれほどの力を持っているのだろうか。今後、イスラム国を駆逐できる強さがあるのか。 イラク軍の兵士数は約25万人と言われている。一方、イスラム国の戦闘員数は複数の調査機関の情報を総合すると、多くて5万人。米中央情報局(CIA)の推測では最大で3万1500人でしかない。 数の論理から言えばイスラム国が圧倒的に不利である。勢力を拡大することすら困難にも思えるが、現実は違う。14年6月、イスラム国がイラク北部の都市モスルを占拠した時、イスラム国の戦闘員は800~1000人だったに過ぎない。それでも彼らは人口約100万人の都市を陥落させている。イラク軍はモスルに約3万人を配備していた。しかもイラク軍にはタンクや戦闘機、
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