プロローグ 朝、窓を開けた時の爽快感、 「おはよう」の挨拶、 肌に浸透する化粧水の感覚、 洗濯物を干す時のやわらかい香り、 淹れたてのお茶の味、 いい感じの寝癖、 毎日を過ごす中で、 そういう瞬間や発見が… 私にとっての『幸せ』だったりする。 美味しい理由 ある寒い日の夕方、 両親と車で出かけた帰り道。 何か温かいものを飲みたくて、 コンビニに立ち寄った。 私が手に取ったのは、 140円のホットミルクティー。 レジを済ませ、コンビニを後にし、 再び車に乗った。 運転は父、助手席に私、 後部座席には母。 走り出す車の中で、 先ほどのミルクティーを口にした。 温かくて、甘くて、優しくて、 その美味しさにとても感動した。 何度か飲んだことがあるはずなのに… いつもより、とびっきり美味しくて、 「なんか、すごく美味しい。落ち着く味…。カフェとかでもう少しお金を出して飲むのもいいけど、今はこっちの方