全国の国立大学で小児神経学の専門講座を持つのは岡山大学と鳥取大学の二つのみ。前垣はそこで様々な「特性」を持つ子どもたちと向き合っている。薬など根本治癒の方法はない場合も多い。 - 撮影=中村治 親や社会は子供たちの持つさまざまな特性とどう向き合えばいいか。鳥取大学医学部附属病院脳神経小児科教授の前垣義弘さんは「発達障害は自閉スペクトラム症、ADHD(注意欠陥多動症)、限局性学習症(学習障害)などの総称である。発達障害の傾向がある子どもは全体の10から20パーセントに及び、とりだい病院のある鳥取県では5パーセントが病院に通う。たとえば我慢が苦手な傾向にあるADHDの子どもを持つ親御さんとは、一緒に工夫してお子さんに対する作戦を考えていく」という――。 【写真】鳥取大学医学部附属病院 脳神経小児科教授 前垣義弘 ※本稿は、鳥取大学医学部附属病院広報誌『カニジル 16杯目』の一部を再編集したもの