医療逼迫時のトリアージは「患者の状態に基づく、救命の見込み」以外の基準で判断されてはならない(Amit.pansuriya / Shutterstock.com) ドイツの重度障害者たちが、障害を理由に治療を後回しにされないよう法制が整えられていないのは違憲だと提訴。ドイツ連邦憲法裁判所は訴えを認め、医療逼迫時のトリアージで差別を防ぐよう政府に命じる判決を下した。ここには、過去のナチスによる「命の選別」が深く関わっている。 オミクロン変異株のために、世界中で新型コロナウイルス感染者が急激に増えている。こうした中、ドイツ連邦憲法裁判所(BVerfG)は最近下した判決で、医療逼迫によりトリアージを行う際に、身体障害者の差別を防ぐよう政府に命じた。 集中治療を後回しにされるリスク 去年12月28日にBVerfGが下した判決は、欧州の医療関係者、保健政策担当者たちから注目された。原告はドイツに住む
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