Rain on Roof / franklin_hunting 突然の夕立 雨宿りをしている私の方に、向かいの美容室から誰かが声をかけているのが見えた。 雨音でよく聞こえない。 そんな仕草をしたら、店から女性が傘をさしてこっちにきた。 「良かったらこの傘、お使い下さい。沢山あるのでどうぞ持って行って下さい。返しにこなくてもいいですよ。」 突然の申し出に戸惑いながら、ともかく感謝の気持ちを伝えると、その人はニコリと微笑みながら、店に帰って行った。 雨音でこれ以上は声が聞こえないので、私は深々と頭を下げた。 店の入り口でその人は手を降ってた。 この街でまた一つ優しさに触れた。 そんな夕立。夏の午後。