カーナビゲーションシステム大手の富士通テン(神戸市兵庫区)は21日、本社内にある神戸工場を2012年5月までに閉鎖する方針を明らかにした。生産は中国・無錫市の工場や栃木富士通テン(栃木県小山市)に移管する。1ドル=70円台の超円高が続き、カーナビ業界の競争も激化する中、従来の生産体制ではコスト面で厳しいと判断した。今後は海外生産比率を高めて競争力を強化する。 神戸工場では非正規社員を含めて約550人が生産に従事している。このうち正規社員の300人は小山と自動車用コンピューターを生産する中津川工場(岐阜県中津川市)に配置転換し、残る非正規社員は期間満了後に契約を更新しない。本社機能や研究開発機能は残し、工場は製品の試作や生産技術の開発に活用する。 富士通テンは自動車メーカーへのOEM(相手先ブランドでの生産)供給と市販向けの両方を手がけ、パイオニア、パナソニックと並び上位3社の一角を占めてい