「海洋強国」を目指す中国は、東シナ海の尖閣諸島周辺、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島などで、海洋権益拡大を追い求め、他国を威嚇する動きを強めている。東シナ海に面する浙江省・南麂(なんき)列島に、中国が新たな軍事拠点を整備中であると、今週、共同通信が伝えた。 ◆尖閣諸島の「近く」に新たな軍事拠点を建設 共同通信によると、中国側の狙いは、日米との有事を想定して危機対応能力を高めると同時に、東シナ海上空に設定した防空識別圏の監視を強化することにあるとみられるという。 南麂列島は、尖閣諸島から約300kmの距離にある。沖縄本島から尖閣諸島までの距離と比べて、約100km近い。共同通信の記事をもとに、このニュースを伝えたブルームバーグは、中国海軍軍事学術研究所の李杰(Li Jie)研究員にインタビューを行っている。同研究員は南麂列島について、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)に近いため、戦略的に重要な場