【ソウル=藤本欣也】「歴史を直視し未来を志向する」。日中韓首脳会談の議長国、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は1日の会談でこう強調して、日本を牽制(けんせい)した。一方で中国に配慮し、南シナ海問題を議題として取り上げるのを避けた。 ただ、会談全体でみると、自らの実績にもなる「3カ国協力の完全回復」(共同宣言)という「未来志向」に重点を置いており、日本に一定の配慮を示したのも事実。「歴史直視」の舞台は2日の日韓首脳会談となりそうだ。 「北東アジア地域の平和と繁栄の重要な枠組みである3カ国の協力体制が復元された歴史的意味は大きい」 朴大統領は1日の共同記者発表でこう自賛した。安倍晋三首相、李克強首相ともに首相就任後初の訪韓だったが、韓国側のもてなしの度合いは異なっていた。李首相には10月31日に朴大統領との夕食会が用意されたが、安倍首相には予定されていない。韓国側は「李首相の訪韓は『公式訪問』