ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (12)

  • カズオ・イシグロのキャンセル・カルチャー批判 - himaginary’s diary

    御田寺圭(白饅頭)氏の現代ビジネス記事が物議を醸している。同記事で白饅頭氏は、「リベラルは多様性を反映することを心掛けるべき」という趣旨のカズオ・イシグロの言を冒頭で引用した上で、リベラルにおける画一的な価値観への同調圧力を槍玉に挙げた。それに対し、記事を問題視する人たちは、そうしたリベラル批判をイシグロは口にしておらず、白饅頭氏はイシグロの発言を曲解している、と言う。 確かに、例えばこちらの白饅頭氏批判記事が指摘するように、白饅頭氏が引用した東洋経済のイシグロのインタビュー記事では、「キャンセルカルチャー」的なものへの懸念や言及は表明されていない。しかし実は、少し前のBBC記事でイシグロは、そうした懸念を明確に示している*1。この記事はBBCのインタビュー番組を基にしているが、こちらのテレグラフ記事では番組におけるイシグロの言葉がより長く引用されているので、以下に前半部分を紹介してみる。

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    spy_simon 2021/03/31
  • クルーグマン「マクロ経済学はISLM派の勝利で決着がついた(ただし一部のおかしな連中を除く)」 - himaginary’s diary

    バイデンプランを巡る経済学者の論争(cf. ここ)についてノアピニオン氏がブログエントリを書いたところ(邦訳)、クルーグマンがツイッターで以下のように異論を唱えた*1。 So actually I think Noah, unusually, has this mostly wrong. These macro wars are very different from those of 2011; the debates are about numbers, not principles — basically because the big conceptual issues were settled when one side won This time we really are all Keynesians now — or at any rate nobody is listen

    クルーグマン「マクロ経済学はISLM派の勝利で決着がついた(ただし一部のおかしな連中を除く)」 - himaginary’s diary
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    spy_simon 2021/03/27
  • ベトナムの低予算COVID-19対策の成功 - himaginary’s diary

    について論文が書かれ、著者の一人Hong Kong NguyenがProject Syndicateにその概要を寄稿している(H/T Mostly Economics)。以下はそこからの引用。 Perhaps most remarkably, unlike South Korea, which has spent considerable funds on aggressive testing, or Singapore, which has established strong epidemiological surveillance, Vietnam has followed a budget-friendly approach that has proven equally effective. Despite expectations of high rates of transm

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    spy_simon 2020/04/13
  • 2018年のフィールズ賞とその経済学との驚くべきつながり! - himaginary’s diary

    引き続き今年のフィールズ賞ネタ。A Fine Theoremブログが、今回フィールズ賞を受賞したアレッシオ・フィガリとネヴァンリンナ賞を受賞したコンスタンティノス・ダスカラキスの業績と経済学との関連について、表題のエントリ(原題は「The 2018 Fields Medal and its Surprising Connection to Economics! 」)で説明している。 ...what is the cheapest way to move mass from X to Y, such as moving apples from a bunch of distribution centers to a bunch of supermarkets. It turns out that without convexity or linearity assumptions, this

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    spy_simon 2020/04/06
  • 2人のフィールズ賞学者が望月論文に抱いた違和感 - himaginary’s diary

    今月初めにフィールズ賞を受賞したピーター・ショルツ*1が、京都大学の望月新一教授によるabc予想の証明に問題点を見つけた、という話をこちらのツイート経由で知った。ただ、ショルツのその指摘を望月氏は認めておらず、今年3月に京都で直接顔を合わせた際も議論はすれ違いに終わり、両者の意見は今のところ平行線を辿ったままだという。 なお、前記のツイートのリンクを辿っていくと(ネイチャー記事→Peter Woitというコロンビア大の数学者の7/17付けブログ記事→同氏の昨年12/16付けブログ記事(の追記))、匿名のシカゴ大教授のブログ*2「Persiflage」の昨年12/17付け記事へのコメントという形で、ショルツ自身の見解*3を読むことができる。この件(というか数学全般)について小生は完全な門外漢ではあるが、専門用語の訳をグーグルさんに頼りつつ、以下に紹介してみる。 Thanks for the

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    spy_simon 2020/04/06
  • 米国の宇宙計画を巡るなかなか消えない10の神話 - himaginary’s diary

    という記事をスミソニアン誌が掲載している(原題は「Ten Enduring Myths About the U.S. Space Program」;The Big Picture経由)。以下はその概要。 月着陸競争の際、米国の宇宙計画は幅広い熱狂的な支持を受けた 世論調査によれば、1960年代を通じて、米国人の45-60%は政府が宇宙探査に金を費やし過ぎていると考えていた。ニール・アームストロングの着陸の後でさえ、その歴史的偉業が費用に見合ったと考えていたのは53%に過ぎなかった。 宇宙開発競争は冷戦を背景にしていたが、その危機感が薄れるに連れ、アポロ計画への支持も薄れた。 SETI協会はNASAの一部門である SETI協会は民間の非営利組織。 NASAも異星人探査の計画に参加していた時期は数十年前にはあった。1997年には、エイムズ研究所がジェット推進研究所と共同で異星人の信号を探索する

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    spy_simon 2018/05/27
  • マルクスの影響力を甦らせたもの - himaginary’s diary

    昨日(5月5日)の生誕200周年を受けて、マルクスに関する論考が数多く現れている。ピーター・シンガーは、Project Syndicate論説で、マルクス思想の質的な欠陥を以下のように指摘している。 Marx’s reputation was severely damaged by the atrocities committed by regimes that called themselves Marxist, although there is no evidence that Marx himself would have supported such crimes. But communism collapsed largely because, as practiced in the Soviet bloc and in China under Mao, it failed

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    spy_simon 2018/05/07
  • 経済学者がよくやる間違い - himaginary’s diary

    エズラ・クラインが、タイラー・コーエンのエントリに触発されて、経済学者が見落としがちな現実世界の重要な点をリストアップしている(H/T okemosさんツイート)。以下はその拙訳。 政治力は重要。短期的には経済的に効率的な結果であっても、長期的には政治力に危険な不均衡をもたらすものもある。それは結局のところ、経済的にも効率的ではないことになる。このことは、多くの経済学者の組合に対する見解にとって特に示唆的である*1。 文化は重要。それは、人間が実際に行動するパターンと同じくらい重要。政策の中には、理論と実証には適合するが、社会や人々には適合しないものもある。この点に関するデビッド・ブルックスの指摘は正しい。 ある政策が、補償的な二次的政策があって初めて意味を持つならば(例:低所得者層への何らかの還付とセットになった逆進税)、その補償的政策が成立する見込みがあるかどうかを自問自答すべき。もし

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    spy_simon 2017/09/05
  • オブズフェルド「消費税はやはり引き上げよ」 - himaginary’s diary

    オブズフェルドらがIMFブログで、日における財政政策と金融政策の協調のあり方について論じている。おそらく後で日語版も追加されると思うので、要点のみピックアップしてみる。 財政と金融政策(および構造改革策)の協調は、包括性(相乗効果が存分に発揮されること)と整合性(共通の目標へのコミットメントによる長期予想の安定)の2つがポイント。 日の金融政策の低インフレ対策は、財政政策の非整合性――短期的な金融政策補助の必要性と、中期的な公的債務削減の重要性――によって妨げられてきた。 FTPLは消費者の政策予想に関して危うい仮定に立脚しており、国債が安全資産の地位を失って金融政策が財政の支払いを保証する、という政策の信頼性を損なう事態に陥る危険性を秘めている、 消費税の二度に渡る延期は、整合性と信頼性という点で財政政策の効果を弱めた。 オブズフェルドらの提案は以下の通り: 消費税は、財政の持続可

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    spy_simon 2017/06/17
  • 米国は多くの人にとって発展途上国に後退しつつある - himaginary’s diary

    というINETブログ記事でピーター・テミンの下記の新刊が取り上げられている。原題は「America is Regressing into a Developing Nation for Most People」で、著者は同研究所のSenior Research AnalystであるLynn Parramore。 The Vanishing Middle ClassPrejudice and Power in a Dual Economy【電子書籍】[ Peter Temin ] ジャンル: ・雑誌・コミック > 洋書 > SOCIAL SCIENCEショップ: 楽天Kobo電子書籍ストア価格: 2,743円 In a new book, The Vanishing Middle Class: Prejudice and Power in a Dual Economy, Peter Te

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    spy_simon 2017/05/08
  • なぜ資本主義は無意味な職を創出するのか - himaginary’s diary

    David GraeberというLSEの人類学者が、9/27付の表題のEvonomics記事(原題は「Why Capitalism Creates Pointless Jobs」)で、ケインズの「わが孫たちの経済的可能性」*1の労働時間の予言が間違った理由について、ややマルクス主義的な仮説を立てている(初出はストライク誌の2013/8/17付記事「On the Phenomenon of Bullshit Jobs」;H/T Mostly Economics)。 以下はその冒頭。 In the year 1930, John Maynard Keynes predicted that technology would have advanced sufficiently by century’s end that countries like Great Britain or the Un

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    spy_simon 2016/10/11
  • ブレグジットは短期的な景気後退をもたらすのか? - himaginary’s diary

    昨日紹介したMatt O'Brienや以前紹介したサマーズが書いているように、ブレグジットは英国に景気後退をもたらす、という見方は多い。それに対しクルーグマンが、6/30エントリで、EU市場へのアクセスが低下することによって貿易が減少し、長期的に英国の成長率が下がる、というのはリカードの原理プラス新貿易理論という標準的な経済学から納得できるが、短期的にも景気後退に陥るのは納得できない、と書いている。というのは、貿易の議論は生産性が下がるという経済の供給面の話であるが、景気後退の議論は需要面の話だから、とのことである。 クルーグマンに言わせれば、そうした短期的な景気後退の議論が依拠している命題は、不確実性が投資や消費を低下させる、もしくは、人々の認識するリスクの増大によって金融の状況が悪化する、のいずれかとのことである。これについてクルーグマンは、以下のような疑問を投げ掛けている。 ブレグジ

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    spy_simon 2016/07/06
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