塩の主成分は、ナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)が結合した塩化ナトリウム(NaCl)です。 塩をそのまま舐めると当然ながらしょっぱさを感じますが、一方で、ごく薄い塩水を舐めると甘みを感じることが以前から知られていました。 この不思議な現象は多くの人が経験していますが、薄い塩水で甘みが生じる仕組みまでは解明されていません。 しかしこのほど、岡山大学大学院を中心とする研究チームは、塩の構成成分の一つである「塩化物イオン」が、甘味受容体に作用して「甘み」を引き起こすことを発見しました。 塩味を引き起こすナトリウムイオンとは異なり、味覚における塩化物イオンの役割はよく分かっていませんでしたが、どうやら「甘みの発生」に関与していたようです。 研究の詳細は、2023年2月28日付で科学雑誌『eLife』に掲載されています。
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