鈴木憲和農相は28日の閣議後記者会見で、中東情勢の緊迫化で懸念されている農林水産業や食品業の関連資材の安定確保について「全体として供給が不足する事態までは現状として見られない」と述べた。ただ、米袋や食品トレーなど57項目で実態調査を進め、必要に応じて調査項目をさらに拡大する方針も示した。 鈴木氏は生産者や小売事業者への調査で、将来の供給不安や価格上昇懸念があるほか、個別に資材供給不足が顕在化したケースがあったと明らかにしたが、「国全体では十分に足りている。情報があれば相談窓口に寄せてほしい」と強調。経済産業省と連携して解決を図っているとした。 ただ、農業分野で資材の供給不足の影響は既に顕在化しており、全国農業協同組合連合会(JA全農)は石油化学製品の原料「ナフサ」を原料とした農業資材を順次値上げする方針。農業用ビニールなどの需給が逼迫(ひっぱく)して、仕入れ先メーカーから20~40%程度の
宗教法人による政党支部への多額の寄付について、外部からの検証が難しいことが明らかになった。企業・団体献金のあり方は政治改革の主要なテーマに位置付けられており、専門家は「抜け道になる危険性」を指摘する。 教団を訪ねると… 奈良市のJR奈良駅から歩いて10分ほど。閑静な住宅街の一角に宗教法人「神奈我良(かむながら)」の建物があった。2階建ての建物内には極彩色の和太鼓が並び、その奥に祭壇が見えた。 声をかけた高齢女性は「管理人のようなことをしている」。この建物について「天照大神を祭っている。来るのは観光客ばかり」と話した。 登記簿によると、法人の代表を2000年から務めているのは、奈良県内を拠点とする事業グループ代表の女性だ。この法人が高市早苗首相の「自民党奈良県第2選挙区支部」に24年、3000万円を寄付していた。 寄付の仕組みは 政治資金規正法では、政治家個人に対する企業や団体の寄付が禁じら
2038年度末ごろに延伸開業する予定の北海道新幹線の新函館北斗―札幌について、財務省が建設で生じる利便性向上額を総費用で割った値(費用便益比)を試算したところ、26年3月時点で採算性の目安とされる「1」を下回ったことが明らかになった。国土交通省の評価基準に照らすと、「基本的に中止」に該当する水準だった。 23日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で示した。財政審は今後の議論を踏まえ、6月上旬ごろまでに意見をまとめて財務相に提言する予定。今回の指摘を受け、北海道新幹線の延伸事業は改善に向けた見直しを迫られる可能性がある。 財務省はプロジェクトを中止すべきかの判断に使われる費用便益比について、建設主体の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が25年12月、想定を上回る工事資材価格の上昇などで、事業費が最大1・2兆円増える見通しを公表したことを受けて試算した。 試算は公表されている事業規模
<中東情勢の影響による一部作業停止のお知らせ> 老朽化に伴い、大規模な修繕工事が行われていた埼玉県内のマンション。4月上旬、工事を実施する業者から、こんな案内が住民に配られた。 中東情勢の緊迫化に伴い、工事に必要な塗料などの石油化学製品の供給が制限され、一部の作業工程を当面停止せざるを得なくなったという。 さまざまな資材の調達が難航する中、こうした建設関係工事を一時停止する動きが各地で出始めている。 「令和のオイルショック」とも言える状況は、住民や建設業者にどんな影響を及ぼしているのだろうか。 <主な内容> ・工事停止で「洗濯物干せない」 ・資材を買いたくても買えない理由 ・資金繰りが難航する会社も ・公共工事の一部にも影響 ・主要資材の単価は? 住民困惑「まさか自宅が……」 「(中東情勢の影響が)まさか自分に及ぶとは思いませんでした。いつになったら洗濯物を外に干せるのか……」 修繕工事が
国立の博物館と美術館について、文化庁は今年度から5年間の中期目標に、自己収入の数値目標を初めて設定した。 2030年度までに、展示にかかる運営費のうち、65%以上を入館料などの自己収入でまかなうよう求める内容で、29年度の時点で40%を下回る館は再編の対象となる。 少子高齢化による税収減が見込まれる中、国の文化芸術の振興を担う中核拠点に、稼ぐ「ノルマ」が突きつけられた形だ。「達成できる館は限られている」。現場から困惑の声が噴出する一方、専門家の間でも評価が分かれている。 「博物館、美術館潰し」か 文化庁は、国立の博物館、美術館を運営する三つの独立行政法人(国立文化財機構、国立美術館、国立科学博物館)について5年ごとに中期目標を策定している。今年2月、26~30年度に取り組む目標を公表した。 数値目標は、博物館などの主要4事業「収集と保管」「教育普及」「調査研究」「展示」のうち、「展示」に関
ラオスでの児童買春について、在ラオス日本大使館が昨年6月に異例の警告をした後も、児童買春に関連してラオスや日本国内で日本人男性が逮捕されるケースが相次いでいる。内陸国ラオスは東南アジアでは経済発展が遅れ、貧困が理由の人身取引がなくならない。外務省は児童買春をしないよう日本人に強く注意喚起している。 ラオス当局は昨年12月8日、古都ルアンプラバンで50代の日本人男性を児童強姦(ごうかん)容疑で拘束し、今年1月に在ラオス日本大使館に通知した。男性は現在も拘束されている。 日本政府関係者によると、ラオス刑法では、いかなる経緯であれ、12歳以下の児童との性交は10~15年の懲役または罰金が科される「児童強姦」などの罪に問われる可能性がある。現地報道によると、男性はホテルの一室に12~16歳の少女3人と滞在し、3人を買春した疑いがある。 国内でも逮捕事例は続く。昨年8月、愛知県警はラオスで18歳未満
衆院内閣委員会の国家情報会議設置法案の質疑で中道改革連合・長妻昭氏の質問に答弁する高市早苗首相=国会内で2026年4月17日午前10時9分、平田明浩撮影 高市早苗首相は17日の衆院内閣委員会で、インテリジェンス(情報収集・分析)の司令塔機能を担う「国家情報会議」創設法案を巡り、「政府の政策に反対するデモや集会に参加していることのみを理由として、『普通の市民』が調査対象になることは想定し難い」と述べた。中道改革連合の長妻昭氏への答弁。 長妻氏は各省庁に情報提供を求める権限が与えられる「国家情報局」などが、政権の都合に合わせて政治利用される危険性を指摘。首相は「スキャンダルについて、マスコミや野党の追及をかわす目的だけで情報活動を行うことは現在も想定していないし、今後も行わない」と強調した。 法案は首相を議長とする国家情報会議を創設するほか、内閣官房の内閣情報調査室を国家情報局に格上げする。「
記者会見に臨む(左から)相嶋静夫さんの次男と長男、高野隆弁護団長=東京都千代田区で2026年4月6日、西夏生撮影 警視庁による捏造捜査の末、がんを患いながら保釈を認められず、勾留中に亡くなった大川原化工機元顧問・相嶋静夫さん。その遺族が、保釈を却下し続けるなどした裁判官37人の法的責任を問う国家賠償請求訴訟に踏み切った。「人質司法」を追認し続けた司法の不作為を問う歴史的な裁判となる。(ジャーナリスト・粟野仁雄/サンデー毎日4月26日号掲載) 裁判官の判断は、どのようなものでも神聖不可侵なのか―。この問いに一石を投じ、裁判官の違法性を問う異例の国家賠償請求が提訴された。 4月6日、警視庁の捏造(ねつぞう)捜査で逮捕、長期勾留され、再三の保釈請求を裁判所に却下されて2021年2月7日に病死した大川原化工機(横浜市)の元顧問、相嶋静夫さん(享年72)の妻(77)と長男(52)、次男(49)が「父
閣議に臨む高市早苗首相(中央)。左は林芳正総務相、右は茂木敏充外相=首相官邸で2026年4月3日午前8時23分、西夏生撮影 イラン情勢の緊迫化による原油の供給不安を受け、5月の大型連休明けにも国民にガソリンなどの節約や節電を要請する案が政府内で浮上している。ただ、節約に伴う「行動変容」の呼びかけは経済活動に多大な影響を与え、政権の強みである内閣支持率の低下にも直結しかねない。原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化する懸念が強まる中、高市早苗首相は慎重に判断する見通しだ。 トランプ氏演説の「不発」が契機 日本の原油は9割以上をホルムズ海峡を含む中東からの輸入に依存している。政府は国内の石油備蓄量や代替ルートによる調達状況を踏まえ、当面の需給に問題はないと説明してきた。現在もその立場に変化はなく、首相は2日の衆院本会議で「日本全体として必要となる量は確保されている」と強調した。
米国・イスラエルとイランの戦闘は28日で開始から1カ月となる。多くの民間人が死傷しているほか、船舶の航行などに影響を与え、国際秩序や世界経済を揺るがしている。 「差し迫った脅威」政権内で見解錯綜 「(イランの)発電所の破壊を10日間停止する」。トランプ米大統領は26日、自身のソーシャルメディアにそう投稿した。トランプ氏は21日から発電所破壊に言及しているが、発電所は市民の生活に密接に関わる民間インフラだ。 国際人道法では、戦時に軍事施設と民間施設を明確に区別し、軍事施設のみを攻撃しなければならない。だが、トランプ氏は全く気にかける様子はない。 米イスラエル、イランの戦闘は激化する一方だが、「戦争のルール」などを定めた国際法がほとんど守られていないのが現状だ。 複数の専門家によると、そもそも米イスラエルによる2月28日の先制攻撃自体が国際法違反にあたる。国連憲章51条は武力攻撃の発生時に加盟
最高裁に向かう北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(中央)=東京都千代田区で2026年3月27日午後2時半、手塚耕一郎撮影 猟銃でヒグマを駆除したところ、「民家に向けた危険な発砲」として猟銃所持の許可を取り消された北海道砂川市のハンターが、道に処分の撤回を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は27日、道の処分を違法として、ハンターに猟銃の所持を認める判決を言い渡した。道の処分を適法としていた2審判決は破棄した。ハンター側の逆転勝訴が確定した。 クマに対する発砲を巡り、都道府県の公安委員会による猟銃許可の取り消しの妥当性について、最高裁が判決を言い渡すのは初めて。クマによる人身被害が全国的に急増して社会問題化する中、自治体から要請を受けて駆除の実務を担う猟友会の公益性を重視する結果となった。 1、2審判決によると、原告の道猟友会砂川支部長の池上治男さん(77)は2018年8
茨城大教育学部付属小学校で2021年に起きたいじめ重大事態を巡り、大学が設置した第三者委員会の調査報告書原案の骨子が、関係者への取材で明らかになった。文部科学省が大学側に重大事態の発生報告を怠っていると指摘し、被害女児の保護者にも伝えるよう促したにもかかわらず、教育学部は文科省に口裏合わせを求めた経緯が判明。「事実を隠蔽(いんぺい)しようとした」と付属小と教育学部の双方を断じている。 学長の行動も問題視 報告書原案では、女児が3、4年だった20年11月ごろ~21年6月、同級生が登校時に毎日のように女児を待ち、別の同級生と引き離そうとするなどのいじめがあったと認定。女児は21年6月から不登校になった。付属小は当時、いじめ防止対策推進法に基づく調査をしていなかった。 付属小は当初、女児の保護者に対し、22年5月に文科省へ報告したと説明していたが、実際はいじめに関する統計調査に重大事態の件数とし
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