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  • 習慣はどうやって形成されるのか?──『習慣と脳の科学――どうしても変えられないのはどうしてか』 - 基本読書

    習慣と脳の科学――どうしても変えられないのはどうしてか みすず書房Amazonいつも通勤や通学につかっている道は、何も考えずにも動けるぐらいには「習慣」になっているものだ。むしろいつものルートとは別の方角に行く必要がある時、そのことを忘れて「習慣」に引っ張られたりする。われわれは家の鍵をしめる動作をする時に、いちいち右手でかばんの右ポケットから鍵を出して差し込み右に回し──などと意識することもなく、習慣的動作によってほとんどを無意識にこなしている。 もし、習慣を脳に形成する力がなかったら、生活は面倒くさいものになるだろう。一方で、タバコや薬物のように、悪い習慣が形成されてしまう危険性もある。こうした習慣は、脳のどのようなプロセスによって形成されるのか? また、その仕組がわかるのなら、習慣を変えることもできるのではないか? そうした問いが連続していくのが、書『習慣と脳の科学――どうしても変

    習慣はどうやって形成されるのか?──『習慣と脳の科学――どうしても変えられないのはどうしてか』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2023/06/19
    再現性の危機後の一冊として面白かった。単純な二重過程理論を超えて行こうという模索も。また、これまで断片的に読んできた線条体、大脳基底核と大脳皮質の関係を勉強できてよかった。あと、リタリンの描写も印象に
  • 人工知能とボットに仕事の大半が代替され、多くの人間が薬物を服用し能力を向上しながら労働するようになった世界──『マシンフッド宣言』 - 基本読書

    マシンフッド宣言 上 マシンフッドセンゲン (ハヤカワ文庫SF) 作者:S B ディヴィヤ早川書房Amazonこの『マシンフッド宣言』は、インド生まれのアメリカ人作家S・B・ディヴィヤの第一長篇となる。21世紀の近未来を舞台に、人工知能とロボットに人間の労働の大半が代替されてしまった、人類が陥ることになる過酷な姿を描き出していくテクノロジーSFだ。作のように、労働が代替されたら人類はハッピーに毎日遊びながら暮らしているんじゃないの? と思うかも知れないが、そんなことはまるでない。 作の世界では人間は人工知能とロボットから仕事を取り戻すために、自分の認知・身体能力を向上させる薬物を摂取しながら労働を行っている。中にはいわゆるサイボーグのように自分の体を機械に置き換え肉体を改造するものもいるが、作では『そもそも、だれもサイボーグになりたがっていない』として多くの人が積極的に取る手段として

    人工知能とボットに仕事の大半が代替され、多くの人間が薬物を服用し能力を向上しながら労働するようになった世界──『マシンフッド宣言』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2022/12/02
    現実と接近して世知辛さが肌身で分かる感じになってきた。
  • 年収が上がれば上がるほど幸せになれるのか?──『幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』 - 基本読書

    幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか 作者:ダニエル ネトル出版社/メーカー: きずな出版発売日: 2020/01/28メディア: 単行(ソフトカバー)幸福とはほとんどの人にとっての人生の目標なのではないだろうか。「いや、自分は不幸になる権利が欲しいです」という『すばらしい新世界』的な人もいなくはないだろうが、少なくとも僕は幸福でありたいと思う。自分の幸福ももちろんだが、近くにいる手の届く人たちも幸福でいてくれたらそれ以上はいうことはない。 だが、そもそも幸福とは何なのだろうか。ほしかったものを手に入れた時、おいしいものをべた時、僕は幸福を感じるが、どれほどの幸せでもすぐに慣れてしまうのはなぜなのか。年収の高い人は低い人よりも幸せなのか。幸福感と生活の質はどの程度関係しているのか、自分の幸せを維持するために、何をどうしたらいいのだろう。 書は、そうした数々の疑問につい

    年収が上がれば上がるほど幸せになれるのか?──『幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2022/07/20
    “性別、年齢の関与は1%。所得は3%。社会階級は4%。結婚の状況は6%。神経症的傾向は6〜28%。外向性は2〜16%。その他の性格要因が8〜14%”
  • 世界的に少子高齢化が進展した時、世界経済はどうなってしまうのか?──『人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小』 - 基本読書

    人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小 (日経済新聞出版) 作者:チャールズ・グッドハート,マノジ・プラダン日経BPAmazon少子化対策に失敗し続け、少子高齢化が進行しているのは誰もが知っていることだと思うが、この傾向は何も日に限った話ではない。先進国は軒並み出生率が減少傾向にあり、世界的に少子高齢化が進行していくのは間違いがない事実である。 たとえ手厚い支援をしたとしても厳しい状況にある。スウェーデンは数十年にわたって手厚い出産支援を行い、保育サービスの時間延長、育児休暇480日、ほぼ全期間で収入80%が補償、子供ひとりごとに手当が増える家族手当、ベビーカーを押している場合公共交通機関が無料など幅広い取り組みが行われているが、そこまでやっても出生率は1.84で、人口置換水準には及ばない。しかもそうした施策には莫大な費用がかかるので、不況に突入し手当が縮小するとあっと

    世界的に少子高齢化が進展した時、世界経済はどうなってしまうのか?──『人口大逆転 高齢化、インフレの再来、不平等の縮小』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2022/06/15
  • ヒューゴー、ネビュラ、ローカスと主要SF賞を総なめにした、エモーショナルな往復書簡時間SF──『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』 - 基本読書

    こうしてあなたたちは時間戦争に負ける (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者:アマル・エル=モータル,マックス・グラッドストン早川書房Amazonこの『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』は、アマル・エル=モータル、マックス・グラッドスト二人の共作による、詩的な時間SFである。英語圏における小説の長さの基準的にはノヴェラ(中編)で、書も240ページほどとコンパクトだ。 エモエモ往復書簡時間SF 作がぱっと見で凄いのは、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、英国SF協会賞と賞的な評価が異様に高いところにある。賞の評価がどれほど高かろうが作品の中身の質の保証にはならないわけだけれども、それなりに期待して読み始めたら、これがたしかにおもしろかった。あらすじとしては、《エージェンシー》と《ガーデン》という二大勢力が時空の覇権をかけて争う──といった感じで、何の新鮮味もない。 だが、実際には

    ヒューゴー、ネビュラ、ローカスと主要SF賞を総なめにした、エモーショナルな往復書簡時間SF──『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2022/01/31
  • ハヤカワ文庫JAから700点以上が50%割引の大型セールがきたのでおすすめを紹介する。 - 基本読書

    SFマガジン 2021年 12月号 早川書房Amazon先日から早川書房から刊行されているSFマガジンではハヤカワ文庫JA全解説を3号連続で行っていた。僕も10点ぐらいの作品に解説を書いたのだが、その全解説がおわったこのタイミングで、ハヤカワ文庫JA700点以上の割引セールがやってきた。 amzn.to このセール終了が12月2日なので滑り込なのだが、今回は僕が読了済みの中からオススメの作品を一部紹介してみよう。ハヤカワ文庫JAのラインナップはほとんどがSFやファンタジィで、小川一水の『天冥の標』から伊藤計劃の『虐殺器官』『ハーモニー』といった定番の作品から、この数ヶ月に出たような最新の作品まで幅広く揃っている。ハヤカワ文庫JAは先日出た『異常論文』で総計1500点になり、700点強は(電子書籍がない作品も多いことを考えると)かなりのカバー率となる。 新作・準新作 隷王戦記1 フルースィー

    ハヤカワ文庫JAから700点以上が50%割引の大型セールがきたのでおすすめを紹介する。 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2021/12/02
    隷王戦記の1と2を買ってみました。
  • 世界各地に存在した、元素ハンターたちの挑戦を描く──『元素創造 93~118番元素をつくった科学者たち』 - 基本読書

    元素創造 93~118番元素をつくった科学者たち 作者:キット・チャップマン白揚社Amazonこの『元素創造』は、元素周期表の末尾に並ぶ26元素がどのようにして作られ・発見されてきたのか、科学者らの挑戦をまとめた一冊である。現在元素は118種に名前がついていて、推定としては170を超えて存在する・作り出せると考えられている。 元素創造の挑戦がなぜ93番という中途半端な数字からはじまっているのかといえば、このあたりの元素はほぼ自然界には存在せず、ほとんどの科学者にすら縁もなく、原子炉や加速器を持つ一部のラボだけが扱える領域だからで、ようは存在させるために相当な労力がかかる領域なのである。特に104番以降は、半減期が早すぎて、なんとか作り出しても数秒で消えてしまうものもある。何かに利用することも難しい。 正直、そんな元素創造の話なんか結局のところがんばって加速器で中性子をぶつけたりして地道に検

    世界各地に存在した、元素ハンターたちの挑戦を描く──『元素創造 93~118番元素をつくった科学者たち』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2021/09/14
    「元素ハンター」が本当に地理的に移動して新元素を探索する人たちだということに軽い驚き。
  • 17世紀のイギリスを舞台にシャーマンキング的能力を持った少女が生存を賭けて奮戦するファンタジイ──『影を呑んだ少女』 - 基本読書

    影を呑んだ少女 作者:フランシス・ハーディング発売日: 2020/06/22メディア: 単行この『影を呑んだ少女』は『嘘の木』や『カッコーの歌』で主に児童文学方面から高い評価を受けているフランシス・ハーディングによる三作目にして最新邦訳である。 フランシス・ハーディングの過去二作はどちらも極上のファンタジイだ。知恵をつけすぎると女性は愚かになるといわれていた19世紀末。「大きな嘘をつけばつくほど、大きな真実を宿した実をつける」特殊な木を中心にした物語『嘘の木』。20世紀初頭を舞台に、問題を抱えながらも平穏に暮らしていた一家のもとへ取り替え子的にやってきた一人の少女=人間の物語のアイデンティティの在り方を問いかける物語『カッコーの歌』と、比較的シンプルなファンタジイ設定を「少女の自己の在り方」や「少女が自由を獲得していく過程」と共に描き出してきたのが特徴といえる。 ハーディングの作品を読ん

    17世紀のイギリスを舞台にシャーマンキング的能力を持った少女が生存を賭けて奮戦するファンタジイ──『影を呑んだ少女』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2020/07/06
    少年漫画的部分が面白そう。
  • 二年連続でヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した、自省的な人型殺人警備ユニットの日常録──『マーダーボット・ダイアリー』 - 基本読書

    マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫) 作者:マーサ・ウェルズ出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/12/11メディア: 文庫マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫) 作者:マーサ・ウェルズ出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/12/11メディア: 文庫この『マーダーボット・ダイアリー』はマーサ・ウェルズのSFアクション連作中篇集である。上下それぞれに二篇の中篇が収められていて、特に上巻の「システムの危殆」はヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞の各ノヴェラ部門を授賞。続く「人工的なあり方」もヒューゴー賞、ネビュラ賞を授賞と(賞的な意味で)評価の高い作品。 それにこの創元文庫版は安倍吉俊のイラストもあいまって刊行がたいへん待ち遠しかったんだけれども、読んでみたらこれが期待通りのおもしろさ! 全篇通して自分のことを一人称で「弊機」を呼ぶ人型警備ユニット

    二年連続でヒューゴー賞・ローカス賞を受賞した、自省的な人型殺人警備ユニットの日常録──『マーダーボット・ダイアリー』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2019/12/15
  • ヒューゴー賞を三年連続で受賞し、荘厳なアートワークで圧倒する化け物級のエピック・ファンタジィ・コミック──『モンストレス』 - 基本読書

    モンストレス vol.1:AWAKENING (G-NOVELS) 作者: マージョリー・リュウ出版社/メーカー: 誠文堂新光社発売日: 2017/12/22メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るこの『モンストレス』はいわゆるアメリカン・コミックで、中国アメリカ人のマージョリー・リュウが原作、日人のタケダサナが作画をそれぞれ担当して、現在も刊行が続いているファンタジィ・シリーズである。最新刊は現状三巻まで。 で、一巻が出た頃から話題になっていたのだが、その後の快進撃が凄い。その年のヒューゴー賞のグラフィックストーリー部門を受賞。アイズナー賞、英国幻想文学大賞など数々の栄誉ある賞を獲得し続け、話題はその後も継続し続けている。たとえばヒューゴー賞は、3年連続(2017、18、19)で受賞、18年についてはグラフィックストーリー部門とプロアーティスト部門で原作者と作画者が同時受

    ヒューゴー賞を三年連続で受賞し、荘厳なアートワークで圧倒する化け物級のエピック・ファンタジィ・コミック──『モンストレス』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2019/09/25
    めっちゃ良さそうだけど記事内容を読むのが遅くなったのでセール中だというのも知らなくて、もう終わっちゃってるだろうなと思ったけど、まだ半額セール中だった!秒で注文したぜ!
  • SFマニアからビギナーまであらゆる層を満足させる、オールタイム・ベスト級の傑作SF短篇集──『なめらかな世界と、その敵』 - 基本読書

    なめらかな世界と、その敵 作者: 伴名練,赤坂アカ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/08/20メディア: 単行この商品を含むブログを見るこの『なめらかな世界と、その敵』を端的に紹介すれば、SFマニアからビギナーまであらゆる層を満足させる、オールタイム・ベスト級の傑作SF短篇集である。とはいえ著者伴名練の名は、SFファン以外は聞いたことはないだろう。既刊行作は『少女禁区』という約10年前に刊行された中短篇集一冊のみで、その後も企画物のアンソロジーに散発的に短篇を発表しるのみだったから、普通は知る機会は多くはない。 だが、SFファンの間では、書の刊行前から伴名練の名は異常なほどの熱気でもって知られていた。というのも、商業発表作こそ少ないものの、同人誌に毎年のように新作短篇を発表しており、その作品の出来がまた凄まじかったからだ。それまでのSFの先行作を緻密かつ複雑に折り込み、舞

    SFマニアからビギナーまであらゆる層を満足させる、オールタイム・ベスト級の傑作SF短篇集──『なめらかな世界と、その敵』 - 基本読書
    ssuguru
    ssuguru 2019/08/26
    めっちゃ面白そうですやん。
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