J1で17位に沈み、クラブ史上初めてJ2に降格する屈辱を味わった2012年。G大阪はリーグ最多の67得点を挙げながら、ワースト2位の65失点を喫した。2得点した試合でさえ5分け4敗と一度も勝てなかったのだから、ゴールを奪い続けた攻撃陣は浮かばれない。 「守備の部分での約束事がなかった。全体的に規律が欠けていたのかなと思う」。昨年1月、火中のクリを拾うように解説者から転じた長谷川健太監督は問題点をそこに見いだし、積年の課題改善に着手した。 就任直後のグアムキャンプでは、プレーを逐一止め、適切なポジショニングを徹底的に教え込んだ。さらに「ボールを奪われた瞬間から守備は始まる」と説き、攻守の素早い切り替えを要求。約束事も多岐にわたった。 「ダブルボランチ(2人の守備的MF)の攻撃参加は一人だけ」「センターバック(CB)が引き出されたら、ボランチが戻って中央のスペースを消す」…。CKの守りでは両C