これまでの宇宙開発と違うのは、天文愛好家に限らず幅広い国民から注目され、自然に「はやぶさ応援団」ができたことだ。 宇宙航空研究開発機構のホームページには連日、多数の応援メッセージが寄せられた。「はやぶさ君お帰り」「お疲れさま」「君はよくやった」「君のがんばりに勇気をもらいました」「君が我々に与えた感動は偉大だ」「探査機は燃え尽きても魂は残る」…多くは「はやぶさ」を擬人化し、まるで友人か兄弟が帰ってくるような感情移入だ。 これほど慕われたのは、幾多の危機に遭遇し、絶体絶命の状況に追い込まれながらも、研究者たちのアイデアで一つ一つ乗り越え、不死鳥のように蘇(よみがえ)っていく様子に人生を重ね合わせて見守っていたためだろう。