ジャン=リュック・ゴダール監督作品『アワーミュージック(原題:Notre Musique)』のテーマは、戦争と分裂の時代にあって、わたしたちは世界中を包み込むわたしたちの音楽のような愛と調和を創造することができるかということに尽きる。 この作品は、三部構成になっており、【王国1 地獄】、【王国2 煉獄】、【王国3 天国】から成る。この三部構成は、ダンテの『神曲』を連想させる。この場合、ダンテはゴダール自身が演ずるゴダール監督であり、ベアトリーチェは女子学生オルガ・プロスキー(ナード・デュー)であり、オルガは現在の世界に偏在する恐るべき暴力と殺戮の存在をゴダールに指し示し、最後に"地上にひとつの場所(天国)"を創り出すことの必要性を示唆する。 【王国1 地獄】は、ありとあらゆる戦争映像をサンプリングして、あたかもこれでもか、これでもかと言わんばかりに、約10分間に集約しようとする。これを見た
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