岐阜県高山市の北アルプス・乗鞍岳(3026メートル)で、森林限界より上の高山帯にイノシシが入り込んでいることがわかった。 乗鞍岳の高山帯までイノシシが登るのは極めて珍しいといい、専門家は「貴重な高山植物が群生する乗鞍岳の花畑が掘り返されるとひとたまりもない。早急な対策が必要だ」と訴えている。 イノシシが入り込んでいた場所は、乗鞍スカイラインの終点・畳平(2702メートル)の南側約600メートルにある「消不(きえず)ヶ池」(2740メートル前後)付近。ライチョウの生息数調査をしていた男性が、同池付近で口から血を出して死んでいる性別不明の一体(体長1メートル前後)を見つけた。 イノシシはセリ科の植物の球根を好み、地面を掘り返して食べるため、高山帯に入り込むと貴重な高山植物が消滅する恐れがあるという。さらに、人に向かって突撃する習性があるため、観光客らに危険が及ぶ可能性もある。 自然環境の保全を