印刷 巨大な石を積み上げた池の護岸(左)=29日、奈良県明日香村の飛鳥京跡苑池、筋野健太撮影 日本初の本格的な宮廷庭園跡とされる奈良県明日香村の「飛鳥京跡苑池(えんち)」(国史跡・名勝)で、巨石を積み上げた池の護岸が見つかった。県立橿原考古学研究所が29日発表した。水深数十センチの浅い池だったとみられるが、高さ約3メートルまで石を積み上げ、視覚的な効果を重視した可能性が高いとしている。 飛鳥京跡苑池は南北二つの人工池と堤、水路からなり、7世紀後半(飛鳥時代)に造営されたとみられる。全体規模は推定で南北約230メートル、東西約120メートル。池の底には石が敷かれ、島や噴水石もあった。周囲には桃や梅、柿などが植えられ、皇族が宴会や散歩などに使ったとされる。 苑池を復元整備するため、南池を調査。東岸と南岸の一部が長さ約30メートルにわたって出土した。最大で直径約1.5メートル、重さ約2トン