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ブックマーク / drupal.cre.jp (27)

  • 『戦国の軍隊 現代軍事学から見た戦国大名の軍勢』西股総生 封建制の軍隊は、いかにして兵種別編成方式を成し遂げたのか? | Drupal.cre.jp

    西股総生さんは、これまでも雑誌『歴史群像』で『後北条氏の土決戦』(No.77)や『河越夜戦』(No.103)など、主に東国の戦いに関する記事や、各地の城に関する優れた記事をいくつも書かれておられ、勉強させていただいている。 その西股さんのこれまでの戦国時代に関する知見のまとめ的なが、この『戦国の軍隊』である。もちろん、こういうものは研究が進むにつれて上書きされ、修正もされるものなので、書かれたことのすべてが「真実の戦国時代!」というわけではないだろうが、戦国時代について興味がある方ならば、読んで損はない素晴らしい内容となっている。 内容について興味のある方には、実際に読んでもらうとして。 この後は、書を元に、私なりに日の「武士」という軍隊の成り立ちから戦国時代、そして江戸時代までをざっくりと追いかけてみよう。 大和による日各地の勢力の制圧という時期を過ぎてまがりなりにも統一政

  • 『中国化する日本』與那覇潤 独特の語り口調で示す歴史の新たなる切り口。「中国化」と言うよりは「非江戸時代化」? | Drupal.cre.jp

  • 『機動戦士ガンダムAGE』のSFネタ解説その3:モビルスーツ鍛冶 | Drupal.cre.jp

    機動戦士ガンダムAGEに出てくるギミックや台詞を元に妄想をたくましくしていくSFネタ解説シリーズの3回目。 第3回はモビルスーツ鍛冶について。孤児となったフリットを引き取る時に、ブルーザー司令が「モビルスーツ鍛冶としてのアスノ家」という言葉を使っているように、ガンダムAGE世界では、モビルスーツ技術者は血族や徒弟によって技術を継承するギルド・ツンフト的な存在であるようだ。 真面目七分に法螺三分、大嘘ついても小嘘はつくなの三割精神でいく。最後までおつきあいいただければ、幸いである。 さて。モビルスーツ鍛冶なるものが存在する社会を考えるのは、実は簡単である。 そういう時代と社会が、かつてあった。中世ヨーロッパにおけるギルド(ツンフト)という、手工業者の同業組合である。779年のカール大帝が出した文書に、ギルドを承認する内容が書かれている。 親方がいて、職人がいて、徒弟がいる。徒弟は使い

    stella_nf
    stella_nf 2011/11/03
    バトルテックのクラン帰還前を思い出した
  • 『機動戦士ガンダムAGE』のSFネタ解説その2:スペースコロニーのビフォーアフター | Drupal.cre.jp

    機動戦士ガンダムAGEに出てくるギミックや台詞を元に妄想をたくましくしていくSFネタ解説シリーズの2回目。 第2回はスペースコロニーの建設についてである。UEからの攻撃で崩壊するコロニーからの脱出に、トイレットペーパーの芯棒部分のようなコロニーコア=農業ブロックを使ったアイディアから妄想を広げていきたい。 真面目七分に法螺三分、大嘘ついても小嘘はつくなの三割精神でいく。最後までおつきあいいただければ、幸いである。 ガンダムAGEの1~3話は、ガンダム世界では定番とも言うべきスペースコロニーが舞台となっていた。敵の攻撃を受け、そこから脱出するという流れも、ガンダム世界の伝統みたいなものである。 もちろん、新しい要素もある。ガンダムAGEでは、コロニーからの脱出にコロニーの中心を通るコロニーコアを利用している。コロニーコアは農業ブロックになっており、コロニー体とは独立した環境維持システム

  • 『機動戦士ガンダムAGE』のSFネタ解説その1:UEの正体を追え | Drupal.cre.jp

    機動戦士ガンダムAGEに出てくるギミックや台詞を元に妄想をたくましくしていくSFネタ解説シリーズの1回目。 第1回は、謎の敵UE(UnknownEnemy=アンノウンエネミー)の正体についてである。もちろん、情報が不足している(1~3話までを視聴)現在、正解などたどりつけようはずもない。真面目七分に法螺三分、大嘘ついても小嘘はつくなの三割精神でいく。最後までおつきあいいただければ、幸いである。 さて、UEの正体であるが、今のところ作品世界では1話にフリットの友人が言うように「異星人」説が有力っぽいようだ。というわけで、「異星人」説から分析してみよう。 UEが「異星人」である場合、その目的は何だろう? 連邦を倒し、帝国主義的な、領土(星)を増やし資源や人、市場を獲得する目的ではなさそうである。UEの動きには、そうした政治的・経済的な動きが見られない。 かといって、人類を滅亡させようとい

    stella_nf
    stella_nf 2011/10/31
  • 旅順港閉塞作戦がもし成功していたら? 『坂の上の雲:広瀬死す』を見て | Drupal.cre.jp

    『坂の上の雲 第9回広瀬、死す』は日露戦争開戦直後、旅順港の閉塞作戦とその失敗を題材にしたドラマである。 作戦立案はどうあるべきか。そして作戦が失敗した時に、どのタイミングで失敗を認め、決断するか。なかなかに考えさせられるドラマであったと思う。 さて、なぜ旅順港が閉塞作戦の対象になったかというと、理由はふたつある。 ひとつは、湾内に残った有力な旅順艦隊を無力化できるということ。 そして、旅順港を失えばロシアのアジア側の軍港は当時はまだ規模が小さく使い勝手の悪いウラジオストック港のみになるからである。 旅順港は、湾口が狭く湾内が広い。当時の軍港に求められる基準――守りが堅い――を満たす良港である。 そしてその湾口の狭さゆえに、閉塞作戦の対象となったわけであるが……結果的に、作戦は失敗に終わる。 失敗したとは言っても、その後の展開からすると広瀬の死は決して無駄ではなかった。 旅順港

    stella_nf
    stella_nf 2010/12/28
    旅順港閉塞作戦がもし成功していたら「宇宙戦艦ヤマト」はなかった
  • 『終戦一年前のチェックメイト』/山崎雅弘(歴史群像100号)ただの講和に興味はありません! 独・日・伊の中で無条件降伏する国がいたら、連合国の前にひれ伏しなさい! ……この言

  • フランスから見た第二次世界大戦を、三十年戦争までさかのぼってみる | Drupal.cre.jp

    NHK-BSで放映された(未見)、シリーズ戦争と平和 よみがえる第二次世界大戦~カラー化された白黒フィルム~ をネタにしたチャットでの四方山話で、次のネタがでている。 ENOKINO フランスの視点から見た第二次世界大戦というのは、第一次世界大戦からの、というか、その前の普仏戦争当たりからの流れを知らないと なるほど。では、フランスから見た第二次世界大戦を、三十年戦争までさかのぼってみよう。 フランス視点での第二次世界大戦というのは、どう見てもぱっとしない。 負け戦という点では、イタリアもそうだ。日ドイツも最後はボロ雑巾のようになって無条件降伏だ。ドイツは首都のベルリンがソ連に占領されて廃墟になるまで戦い、日土爆撃で都市を焼け野原にされ、ソ連がついに牙をむき、おまけに広島と長崎に原爆を投下されるまで粘り続けた。 しかし、フランスはボロ雑巾のようになる機会すらなかった。 あか

  • 『現代萌衛星図鑑』著/しきしまふげん 漫画/へかとん 監修/松浦晋也 萌えといっても『人工衛星は俺のヨメ』ではなく、『人工衛星は俺の娘』な感動のドラマ! | Drupal.cre.jp

    タイトルに『萌』の文字がついているように、このは人工衛星を萌えで擬人化して描いたである。 が、『萌』といっても、我が友人の椎出さんの慧眼が見抜いたように、パンツではない。 このにパンツはない。乳もない。なぜなら、擬人化された萌え人工衛星は『俺のヨメ』ではなく、『俺の娘』だから。自分の愛娘のパンツを、他人に見せたがる父親はいない道理だ。 この、「嫁ではなく娘」という視点が、書の一環したトーンだと思う。健気で、頑張り屋さんな人工衛星=娘たちの活躍を、愛を込めて語るなのだ。 この愛や、なぜ愛するのかを理解できぬ人も多かろうとは思う。 だが、著者のしきしまふげんさんたちの、人工衛星にかける愛を疑う人はおるまい。そして愛が物だからこそ、多少の趣味嗜好の差を超えてでも、伝わるものがあるのだ。 これから読む方への注意として、書は、泣かせの演出がとても強い。うかつに通勤通学の電車の中

  • 『ガザ紛争2008-2009』山崎雅弘(『歴史群像No.95』より) 敵よりも身内が怖い紛争 | Drupal.cre.jp

    イスラエルとパレスチナの紛争を、遠くはるか極東の島国から見ると、問題の解決方法は一目瞭然である。 イスラエルは、パレスチナの人々の権利を保証し、彼らの自立を促し。 パレスチナは、テロによる紛争悪化を止め、経済と生活を再建する。 お互いに、相手の利益と権利を尊重する―― 子供でも分かるこの理論は、だが、これまで受け入れられることがなかった。山崎雅弘さんが記事のまとめに書かれているように、この問題は、イスラエルとパレスチナの戦いとして考えると、おかしくなる。 これは、双方のマクシマリストとミニマリストの“身内の戦い”であり、イスラエルとパレスチナの紛争とは、その“身内の戦い”の結果でしかないからだ。 マクシマリスト(最大利益追求)とミニマリスト(最小利益受諾)とは、あまり日常的に使う言葉ではないが、あえて乱暴にまとめると強硬派≒マクシマリスト、穏健派≒ミニマリストであろうか。 イスラエルの中

  • 脳内MAD『ルパン3世:ジンバブエの城』 | Drupal.cre.jp

    ニュースを見ながら適当に思いついた脳内MADネタ。 アニメ『ルパン3世 カリオストロの城』の導入部に、ルパン3世が、カジノで大金をせしめて、車に詰め込んで逃走する場面がある。 車いっぱいに詰め込んだあの札が、実は…… 次元「そーれ、札束のシャワーだ」 ルパン「熱い熱い、もっとやってちょうだい~~~~?!」 次元「どしたい、ルパン?」 ルパン「……捨てっちまおう」 次元「なに?」 ルパン「ジンバブエ・ドル札だよ、こいつはな」 そりゃ、ルパンならずとも、捨てたくなるというもので。 そして車いっぱいの紙幣を、道路にぶちまけてタイトルへ。 続いて、カリオストロ伯爵ならぬジンバブエ伯爵が札の検分をしている場面。 伯爵「良いできではないな」 拡大鏡で拡大しないと判別できないほどたくさんの「0」がずらりと並んだ紙幣。 ジョドー「は、しかし。現在のような(インフレによる)大量生産では……」

  • 『豊臣朝臣徳川家康』(橋場日月/『歴史群像No.92』より)に見る、戦国延長ゲームとしての『汝は人狼なりや?』 | Drupal.cre.jp

    『豊臣朝臣徳川家康』(橋場日月/『歴史群像No.92』より)に見る、戦国延長ゲームとしての『汝は人狼なりや?』 『歴史群像No.92』の橋場日月さんの『豊臣朝臣徳川家康』は、前に橋場さんが『誤算と失策の関ヶ原』でも書かれていた、秀吉亡き後もまだ血に飢えた戦国武将たちの恩賞を求める気持ちが、関ヶ原への流れを作ったという視点で書かれた記事である。 天下人であった豊臣秀吉が死んだのは1598年のことだ。 能寺の変があったのが、1582年。16年前。 北条討伐をして、東北の仕置きもすませ、実質的に天下を統一したのが1590年。8年前。 わずか8年前まで、日は戦国時代だったのだ。 いや、その時点で朝鮮に軍を送っていることから考えても、戦国時代の主役であった戦国武将たちは『まだ俺たちの戦国は終わってないぜ』という気持ちだったのではあるまいか。 なんといっても曾祖父の代から百年も続いた戦乱であ

  • mixi年賀状の隠れた効能としての不正登録排除 | Drupal.cre.jp

    mixiがマイミク宛に年賀状を出せるサービスmixi年賀状を開始するとの話題が紹介されてました。 SNS友人宛に物を送るのを有料サービスとして利用するのは、アメリカなどでは前からありますので、その流れなのかなと思いました。 しかしこの年賀状、個人情報の登録が正しくない場合、郵便が正しく届かないわけですよね。これにより不正な登録を発見・排除することが出来るという副次的な効果が期待できます。それも狙ってのことであれば、なかなか見事なアイデアかも知れません。 そういえば昔々その昔、パソコン通信の全盛期には草の根BBSというものがありまして。これは個人で開設されるサーバに電話で繋いで利用する掲示板その他のサービスを提供するものでした。しかし単に電話をかければ利用できるため、偽装登録して迷惑をかけることも可能だったのですよね(まだナンバーディスプレイもありませんでした)。 そのため、用心深い管理者

  • 『戦国三好一族 天下に号令した戦国大名』今谷明 織田信長の前に上洛を果たした四国の雄 | Drupal.cre.jp

    戦国大名に必要なものはなんだろうか? 第一は文句なしに武力である。戦国時代は実力主義だ。武力のない戦国大名は、戦国大名たり得ない。 では、その武力を支えるものは何か? 経済力? もちろん、それはある。だが、経済力の根源となる田畑や湊などの支配力はどこから生まれるのか? それが正当性であり、権威であり、大義名分なのだ。 室町時代の武家社会において、足利幕府は各地の支配者に守護という役職を持つ武家を置いた。これが守護大名である。守護大名は、それぞれの支配地域内における税収で軍事力を保持し、幕府のために奉公=働いた。 守護大名は足利幕府という政権における各種大臣としての役割も任じられていたため、仕事の内容によっては中央=京に常駐することが多かった。そこで、留守の間の地方業務は自分の代官を定めて、それに委託することになった。これが守護の代理、守護代である。 これら守護代は実務を担当して

  • キョン子が主人公になったらどうなるか | Drupal.cre.jp

    キョン子とは何者であろうか? それを答える前に「涼宮ハルヒの憂について軽く説明しておこう。 「涼宮ハルヒの憂」(以下現ハルヒと略す) といえばもう押しも押されもせぬ人気ライトノベルである。 どのくらい凄いかというと、ハルヒシリーズの売り上げ部数は約500万部らしい。というので大体のすごさは判ってもらえるだろう。 キョン子について語るには、まずその前に現ハルヒについて語らねばならぬ。 (割と最近の風潮に乗るような、記号で物事を語るような話になってしまうかもしれないが) 現ハルヒにおける物語の魅力を見ていこう。 SFが、ミステリがどうの、と小難しいことはあるが、大抵のライトノベルにおいて、重要視されるポイントがまずある。 「萌えるか、萌えないか」 単純で判りやすいと思う。 現ハルヒは主人公の男子高校生キョンの一人称視点で、危うくすると冗長になりそうな長い口上によって語ら

  • ライトノベルとSFの関係についてあれこれ、その2:『グロリアスドーン 6』(庄司卓)あとがきを読んで | Drupal.cre.jp

    『グロリアスドーン6 少女は最果てにいざなう』(庄司卓)を楽しんだあと、あとがきにおける『ライトノベルSFの関係』という部分を読んであれこれ思うところがあったので、よしなごとを。その2。 『グロリアスドーン6』のあとがきでは、海外のSF作家の言葉として次の言葉が紹介されていました。 >>> ファンタジーでは、世界に異変が起き日常が脅かされると、主人公は仲間と共にこれに立ち向かい、異変の原因を解明して、やがて世界に日常が取り戻される。 それに対してSFでは、世界に異変が起き日常が脅かされても、主人公とその仲間は単なる傍観者に過ぎず、異変の原因を解明した所でどうする事も出来ず、世界は日常を取り戻せぬまま、大きく変容してしまう。 >>> この言葉は私も記憶にあります。アーシュラ・K・ル=グィンだったかな? 世界の変容、という点ではおおむねこの言葉でさほど間違いはありません。つまり、一度変

  • ライトノベルとSFの関係についてあれこれ:『グロリアスドーン 6』(庄司卓)あとがきを読んで | Drupal.cre.jp

  • 『ディズニーアニメ ファイアボール』枝葉どころか、幹やら根っこやらを削り抜いた先にある、豊潤なオタクの魂 | Drupal.cre.jp

    ディズニーアニメ ファイアボール』枝葉どころか、幹やら根っこやらを削り抜いた先にある、豊潤なオタクの魂 さて、まずはこちらの『ファイアボール』のディズニー・チャンネル 公式サイト をごらんいただきたい。この日記を書いている4/18時点で1話と7話を見ることができる。1話2分もないので、軽い気持ちでどうぞどうぞ。つうか見てください。ここに伏してお願いします。 ……。 …………。 ………………見たね? では、日人1億2千万人中、7千万人はいるであろう“面白くなかった”人は置いておいて。面白かった人とだけ残りの話を続けていきたい。 なぜ、コレが面白いかについて――である。 もちろん、このアニメは真性のSFで、間違いなく次の星雲賞候補作であるが、それについては置いておく。SFとしてどうこうを言いたいわけではないのだ。 『ファイアボール』というアニメは、いわゆる普通の“ストーリー仕立て”では

  • 作家の権利の範囲とは(続き) | Drupal.cre.jp

    私のウェブページ「雑家屋・鷹見商店」で、自分が書いたの紹介をするコンテンツに、の表紙の画像を使用していたことについて 「共著者である、イラストレイターの名前が無い」 「出版社へのリンクも無い」 「ちゃんと許可を受けているのか」 という質問のメールを頂いた件に関し、昨日簡単に書いたが、それについて、今後、出版社からの正式の使用許諾が下りない限り、画像を使用しない。という対応をすることになった。 イラストレイター氏の名前が無かったことについては、弁解の余地は無い。 ただ「共著」と書くのは、「小さな国の救世主」以外の著作に関してはいささか、なじまないと思われるので「イラスト」としてお名前を掲載させて頂くことにした。 現在、ウェブページ作成を請け負っていただいている方に更新について依頼中である。 また、「出版社等に対するリンク」であるが、私のウェブページはどこともリンクを繋いでいない

  • 『華中作戦 最前線下級指揮官の見た泥沼の中国戦線』佐々木春隆 日中戦争を皮膚感覚で理解できる良書 | Drupal.cre.jp

    『華中作戦 最前線下級指揮官の見た泥沼の中国戦線』佐々木春隆 日中戦争における泥沼の戦いを、上からでも下からでもなく、中間管理職的な位置から見たである。知識としてではなく、感覚として日中戦争を読み取るにはまたとない良書だ。 ――なんといっても、地図が豊富だしなっ! さて、書を読んでいていくつか興味深く感じたことを列記していこう。 まずは迫撃砲である。 こいつは歩兵にとってまことに頼りになる火砲だ。 大砲というのはおおむね威力が大きいものほど重い。書でも砲兵の将兵が敵の攻撃で逃げた馬を追いかける時に、著者が危険だと止めるのだが、「馬は砲兵の命です」と言っている。運搬用の馬がないと重い大砲は最悪その場にうち捨てるしかなくなるからだ。 その点、迫撃砲は軽い。 打ち方も簡単だ。地面に設置して斜め上に向けた筒に、砲弾を放り込むとすぽんっ、と炸薬が破裂して斜め上にひゅるひゅる飛んでいく。