関西空港や幕張メッセで複数のはしか(麻疹)感染者が見つかった問題で、日本環境感染学会は2日、はしかが流行するおそれがあるとして、院内感染を防ぐよう全国の会員に注意喚起を出した。日本は世界保健機関(WHO)から昨年、麻疹排除認定を受けたが、海外からの持ち込み症例からの流行は起こりうるとして「排除国でも油断はできない」としている。 感染力が強いはしかは肺炎や脳炎などを起こす可能性もあり、院内感染で重篤な事態につながる可能性がある。このため発疹や発熱など疑いがある患者が来たときには隔離や保健所への報告を徹底し、医師らのワクチン接種なども再検討するよう求めている。 はしかをめぐっては、日本はWHOから2015年3月に、土着のウイルス株がない排除国に認定された。一方で確実に免疫がつくとされるワクチンの2回接種が06年に始まるまでは1回だったことから、免疫が十分ではない人がいるおそれが指摘されている。