【ワシントン=勝田敏彦】11月下旬にイスラム教の聖地メッカである大巡礼(ハッジ)で、新型の豚インフルエンザの感染が広がる可能性について、米科学誌サイエンス(電子版)最新号は「巡礼者が母国などにウイルスを持ち帰り、大流行を引き起こす恐れがある」などとする米疾病対策センター(CDC)の担当官らの論文を掲載した。 ハッジの時期、サウジアラビアのメッカには、世界160カ国以上から約250万人が集まり、神殿で祈りをささげる。 論文によると、北米から1万5千人以上、欧州から4万5千人以上の巡礼者が、メッカと地元を往復して各地の主要空港を通過。宗教上の理由からマスクの着用や消毒薬の使用を拒む巡礼者もいるとみられている。メッカでは祈りなどの際に他人と密に接触するため感染が広がりやすく、「ウイルスの世界的拡大の危険性が増す」としている。 サウジアラビア保健省は「65歳以上または12歳未満の人、病弱な人