ニュースを耳にしても、「ああ、また例のやつね」とあまり驚かなかった方も多いのではないだろうか。 油圧機器メーカー大手のKYBとその子会社が、油圧を利用して地震の揺れを吸収するオイルダンパーと呼ばれる装置で、検査データの改ざんを行っていた問題のことである(関連記事)。 国土交通省の基準や、顧客の性能基準から外れた製品に対して基準内に収まるよう数値を動かしていたという。改ざんは、2003年から完成品検査の現場で続けられていて、これまで世に出た不正ダンパーはざっと987件に及ぶ。 と書いてみたものの、まったく斬新な感じがせず、むしろデジャブしかないのは、この手の改ざんが、日本のモノづくりでは、もはや特に驚くような話ではなく“あるある”となってしまっているからだ。 例えばこの1年を振り返ってみても、神戸製鋼、三菱マテリアル、東レ、シチズン時計、宇部興産、日本ガイシ、日立化成、日産自動車、スバル、ス