京都市内の医師が不正取得した通院患者名義の住民基本台帳カードを悪用し、交通違反の摘発を免れた有印私文書偽造事件で、京都府警に逮捕された精神科医、清水光明容疑者(42)が患者になりすまして不正に取得した住民基本台帳カードは、正規の手続きに従って交付を受けたものだった。マイナンバー制度の運用開始に伴い、住基カードに代わって今年からは個人番号カード(マイナンバーカード)の交付が始まった。行政手続きの円滑化や市民の利便性向上などが目的だが、巧妙に申請すれば他人名義のカード取得も可能とされ、専門家は不正防止策の充実を訴えている。 捜査関係者によると、清水容疑者は本人確認資料として患者名義の預金通帳と年金番号通知書を京都市に提出し、住基カードの交付を受けた。2点とも清水容疑者が患者から預かって管理していた。