ここ最近、日本のゲーム業界をにぎわせている国民的RPG『ドラゴンクエスト』(以下『ドラクエ』)シリーズ。9月1日には新作『ドラゴンクエストヒーローズ』が発表され、9月4日にはニンテンドー3DS版『ドラクエX』が発売された。 無双スタイルにMMORPGと多方面に手を広げる同シリーズは、じつは英語へのローカライズにおいてもこれまでさまざまな創意工夫の歴史をたどってきた。その大きな特徴のひとつが、地域方言をふくめた非標準英語の活用である。本稿では英語版『ドラクエ』でみられる地域方言を紹介しつつ、そこに込められたローカライズの意図をさぐってみたい。 導かれし方言たち 最初にとりあげるのはニンテンドーDS版『ドラクエIV』。日本では2007年、海外では2008年に発売された。シリーズ中、方言をもっともふんだんにとりいれた作品といっていいだろう。序章を終えて第一章に入ると、プレイヤーの目にはさっそく見
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