皆さんも、想像してみてください。日本国民の期待を一身に受けながら、強豪国の選手を相手に5分間全力で戦わなければならない心境を。一瞬一瞬の動作に、会場の観客のみならず、日本国民のほぼすべての視線が注がれる緊張感。日本のお家芸として金メダルが義務づけられている競技ですから、壮絶なプレッシャーは想像に難くありません。 こうした極限状態で結果を出すためには、「常に自分の柔道を貫ける強い自分」が必要です。そのためには、肉体と同時にメンタルを鍛えることが不可欠なんですね。 現在の柔道界では、急速にグローバル化が進んでいます。世界と戦う上では日本の旧来の価値観では必ずしも勝利が保証されない時代に入っています。例えば、少し前なら、全日本選手権でそこそこの実績を残せば、「こいつは、メダルは取れるだろう」とか、「金メダルは間違いない」などといったことが、大体予想できていました。 伝統的な柔道だけをやっていれば