アメリカは自由の国だ。 小さい頃、大人たちからそう聞かされたものだった。 令和生まれの若者は知らないと思うが、その昔、家庭にはテレビという機械があって、アメリカ横断ウルトラクイズという特番のクイズ番組が放送されていた。「ニューヨークに行きたいかァ〜!」とアナウンサーが声高に叫び、一般参加者が知力体力時の運でクイズを勝ち進んでいき、最後は自由の女神をバックに決勝の早押しクイズを行う、そんな番組を見ていた中で、ああ、何かアメリカってすごい国なんだなぁと幼心に思った記憶がある。 そして今、私はそのニューヨークでデザイナーとして働いている。まだアメリカに来てわずか4年の若輩者なので、アメリカの社会がどうとか政治がどうとか言える立場ではないのだが、コロナ、トランプからバイデンへの交代、そして昨今アメリカで起こっているあれこれを経験する中で、デザイナーとしてアメリカの「自由」とは何かについて考えること