昨今のシティ・ポップのブームと並行して、昭和歌謡も相変わらずの人気である。両者には重なる部分もあるが、当然ながら別の文脈で語られるべきものである。 一般的にシティ・ポップといえば、1970年代後半から1980年代半ばにかけてのニューミュージックといわれたジャンルと重なる部分が大きい。しかしながら、ニューミュージックといえば少しフォーク寄りの内省的なたたずまいをもった音楽をも含めて語られるのに対し、シティ・ポップは都会的で洗練された音楽に限定され、より狭義にとらえられる。 一方、昭和歌謡といえば、その解釈範囲がきわめて広くなる。終焉が1980年代半ばないしそれ以降(改元直前)であるいことには変わりないが、スタートをどこに置くのかということについては、聴く者の好み次第である。 ある者にとってはフォークと歌謡曲が棲み分けられていた1970年代かもしれない。テレビ全盛となった1960年代に好きな曲