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ブックマーク / www.britannia.co.jp (3)

  • ロックと悪魔 第二十四回 メタル狩りとの闘争3

    法闘争へ ヘヴィメタルに対する抑圧は法廷に持ち込まれることになる。 1988年、カルフォルニア州のロサンゼルスでケネス・マケンナという検察官がオジー・オズボーンを訴える。ある少年の自殺の原因がオジー・オズボーンの「自殺志願」という曲にあるというのだ。確かに、少年の遺体の横にあったレコードプレイヤーにはオジー・オズボーンのライブアルバム『悪魔の囁き(Speak of the devil)』がかけっぱなしなっていたようだ。しかし、このアルバムはブラック・サバスの楽曲だけで構成されており、問題の「自殺志願」は収録されてはいない。 この検察官はサブリミナル効果によって、オジー・オズボーンがこの少年の自殺を後押ししたという主張を繰り広げた。この曲の中の「自殺 suicide」という声が録音されている部分を逆再生すると「銃を手に取り、撃て get the gun and shoot it」というメッセ

    ロックと悪魔 第二十四回 メタル狩りとの闘争3
  • ロックと悪魔 第二十三回 メタル狩りとの闘争2

    ヘヴィメタルのミュージシャンたちは悪魔を信奉しているわけではないし、それどころか経験な信徒すら存在する。にもかかわらず、彼らは原理主義的な立場を取る福音派のキリスト教徒たちの格好の攻撃の的となってしまった。例えば、日でもアニメのファンが性的犯罪を起こすとか、ゲームの愛好者は犯罪の温床であるなどといったように、サブカルチャーは時として保守的な人たちの偏見に曝されることはある。新しい文化が奇異の目で見られ、理不尽な非難を浴びてしまうのは古今東西よく見られる現象だろう。 サブカルチャーへの偏見と攻撃 しかし、アメリカと日が決定的に違うのは、キリスト教徒が神の実在を前提に世界を捉えていることだ。つまり彼らにとっては悪魔とは映画漫画で我々の恐怖心を楽しませてくれる想像上の怪物では断じてなく、実際に存在し人類に災をもたらそうと画策している現実の脅威なのだ。そして、ヘヴィメタルのようなサブカルチャ

    ロックと悪魔 第二十三回 メタル狩りとの闘争2
  • ロックと悪魔 第二十六回 地域文化との融合 北欧の場合

    来たる2021年3月26日(金)、ブラック・メタルの中核的存在であるノルウェーのバンド、メイヘム(Meyhem)を描いた映画『ロード・オブ・カオス』が日でも封切られる。この公開を記念して、今回は予定を前倒し、第二十六回目の原稿をアップすることにする。 来は前回「メタル狩りとの闘争1』に引き続き第二十五回まで、アメリカのヘヴィメタル文化に対する弾圧運動を詳細に取り上げる予定であった。だが、映画の公開に合わせて、ブラック・メタルシーンだけでなくその背景となっている北欧文化について、整理しておくことは、メタルだけではなくこの映画のファンにとっても有意義ではないかと考えた次第である。 文化の受容 一つの文化が産まれた地を離れ異なる文化の中に組み込まれる際、元の文化には存在しないその地域に独自の要素が付け加わり、その土地の文化土壌に即した形で発展していく。文学研究の世界で「受容」の問題系として知

    ロックと悪魔 第二十六回 地域文化との融合 北欧の場合
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