【北京・坂本信博】ゲーム産業に対する当局の統制が強まる中国で、ゲーム関連企業が苦境に立たされている。オンラインゲームへの審査が厳格化され、昨年7月下旬以降、新作公開の承認が一本も下りない状態が続き、この5カ月で1万4千社が倒産。リストラも相次いでいる。日本など規制のない海外市場に活路を求める動きが今まで以上に加速するとみられる。 中国ではオンラインゲームを公開する際、メディアを管轄する国家新聞出版署の審査と承認が必要になる。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、同署は昨夏から審査を厳格化。内容に法律違反や国家機密の漏えいがないかなどに加え、プレーヤーが殺人を犯すような内容や「女性的な男性」「史実の歪曲(わいきょく)」などが新たに規制されたとみられる。 中国政府系ゲーム団体が昨年開いた研修会では、ゲームは政治色のない「純粋な娯楽」ではなく「正しい価値観」と「中国の歴史・文化へ