米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、石井啓一国土交通相は30日の閣議後会見で、沖縄県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回の効力停止を決めたと発表した。防衛省は決定を受けて、8月以降止まっている工事を再開し、土砂投入に踏み切る方針だ。 沖縄県の承認撤回への対抗措置として、防衛省が行政不服審査法に基づき国交省に効力停止を申し立てていた。石井氏は効力停止を認めた理由について「普天間飛行場周辺住民の危険性の除去や騒音の被害防止を早期に実現することが困難となる。日米間の信頼関係や同盟関係に悪影響を及ぼしかねない」と説明。外交・防衛上の不利益は、効力停止の要件である「緊急の必要」にあたると話した。 行政不服審査請求は、国民が行政に対する不服を申し立てる制度で、政府機関が使うことへの批判は根強い。石井氏は「沖縄防衛局のような国の機関であっても、処分を受けた一般市民と同様に審