東電が建屋内の放射性物質(放射能)を含む低濃度の汚染水を海に放出する事態になったのは、原子炉冷却のための注水が原因とみられる建屋地下の汚染水や、屋外の立て坑などにたまった汚染水の処理が追い付かなくなったからだ。 汚染水の処理について、原子力安全委員会は3月29日、東電に対し、「井戸を掘る」「使わなくなったタンカーを活用する」「米軍の協力を得る」などの助言をした。 東電は同委員会の案を取り入れず、4号機タービン建屋をタンク代わりにして水を移す計画を立てた。しかし、4号機のタービン建屋は3号機とつながり、汚染水の貯蔵場所としては使えないことがわかり、断念した。 こうしたずさんな対応で、低濃度とはいえ、自ら大量の汚染水を海に放出する事態を招いた。 原子炉を安定して冷やす循環、冷却機能はいまだ復旧しておらず、今後も注水によって汚染水は増える可能性が高い。 2号機の取水口付近では、高濃度の汚染水が海