日本でもシステムの内製化に取り組む企業が増えている。誠に結構なことなのだが、そうした企業の多くでかなり深刻な問題が生じている。長らくシステム開発を外部のITベンダーに丸投げすることに慣れ切っていたためか、新たに設置された内製部隊を事業部門が「社内業者」扱いするのだという。当然、やっとのことで中途採用した技術者らのモチベーションはだだ下がり。その結果はどうなるか。 最近、この「システム内製部隊を社内業者扱いする」という問題を耳にする機会が増えた。社内業者扱いとは要するに、事業部門が内製部隊をSIerなど人月商売のITベンダーと同様に、ご用を聞いてもらえる便利な存在と勘違いしてしまう現象だ。その結果、SIerなどの技術者に対するかのように、内製部隊の技術者に上から目線で「君たちプロなんだから、1カ月でつくってよ」などと依頼する愚か者までが出てくる始末だ。 実は白状すると、私は当初、この問題をそ
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