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2019年5月11日のブックマーク (3件)

  • アイドル=少女というイメージは払拭できるか 乃木坂46らの功績と社会の現状から考える

    AKB48に代表される2010年代の女性グループアイドルシーンについて論じられるとき、その群像劇はしばしば「成長を見守る」ことを旨とするコンテンツとして解釈されてきた。芸能の入口に立つ人々を多く含んだ若年者たちによる表現の魅力のありかが語られるうえで、それはいかにも飲み込みやすい説明ではある。実際、彼女たちのパーソナリティが継続的に享受対象となるこのエンターテインメントにおいて、芸能者として成長してゆくプロセスや物語性が訴求力になってきたことは間違いない。 「成長を見守る」といった視点でグループアイドルを枠付けることは、「未熟さを愛でる」ものとしてアイドルを捉えてゆくことにつながりやすい。加えて、グループアイドルの代表格として存在してきたAKB48が、学生服を着想元にした衣装をたびたび製作したことも、アイドルの表現に若さや未熟さのイメージを結びつける。 AKB48がその多様で繊細なプロダク

    アイドル=少女というイメージは払拭できるか 乃木坂46らの功績と社会の現状から考える
  • AKB48、坂道グループ……今、世の中が求めるアイドルグループのあり方を改めて考える

    AKB48『ジワるDAYS』(TypeA) AKB48は、所属するメンバー個々が自己表現の方法を模索するためのフィールドとして、アイドルというジャンルを整備した。重要なのは、そこでメンバーたちが模索するアウトプットが、必ずしも歌唱やダンスといった音楽活動に直接紐付いたものだけでなくてもよいということだった。 所属メンバーたちは、有名性のきわめて高い組織の一員として活動することを媒介にして、自らの適性を世にアピールしつつその先の道をつかんでいく。指原莉乃がさまざまな媒体で卓越した平衡感覚を発揮しメディアのスターたりえたのも、吉田朱里らが動画配信やSNSでの立ち振る舞いで支持者を開拓したのも、AKB48が単にダンス&ボーカルグループとしてでなく、個々にとって間口の広い自己表現の土壌として存在したためである。あるいは柏木由紀のように、長い年月をかけてアイドルという表現スタイルそのものを洗練させ、

    AKB48、坂道グループ……今、世の中が求めるアイドルグループのあり方を改めて考える
  • AKB48、坂道グループ……今、世の中が求めるアイドルグループのあり方を改めて考える

    2010年代の終盤に至って、女性アイドルシーンは「坂道シリーズ」を軸にして特集され、語られることが多くなった。女性アイドルグループの代表的な特徴のひとつになってきた「競争」的なアングルに順応するのではなく距離をとり、いくぶん相対化するようなこれらのグループが大きな支持を集めているのだとすれば、そこには世の中がアイドルグループに何を求めているかについての、パラダイムの変化をみてとることもできるかもしれない。 乃木坂46『今が思い出になるまで』(通常盤) 他方、視点を変えれば、現在までAKB48の大きな武器としてある「現場」やSNSは、坂道シリーズの各グループが48グループほど駆使できていない要素でもあった。とりわけ2010年代前半にAKB48の熱狂のありかとして論じられてきたのは「現場」がもたらす一回性や共時性の感動や面白みだったが、同時期、乃木坂46は頻繁にライブを行える場をもたず「現場」

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