キリスト教系新宗教「エホバの証人」の2世信者らを支援している弁護団は20日、2世信者らが受けた「輸血拒否の強制」や「むち打ち」などの児童虐待の実態調査結果を公表した。18歳未満から信者として活動した92%がむち打ちを体験し、81%が輸血拒否の意思を示すカードを持っていた。教団は「児童虐待は容認していない」とするが、弁護団は「教義を根拠に虐待を促進・黙認し、組織的関与や強制が強く疑われる」と指摘している。【宮城裕也】 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を機に、厚生労働省は2022年12月に宗教の信仰に関わる児童虐待の対応指針を初めてまとめ、全国の自治体に通知した。輸血などの治療行為を受けさせないことを「ネグレクト(育児放棄)」とし、宗教活動を強制するためにむちで打つことなどを「身体的虐待」と明記した。 調査は23年5~6月、10~70代の元2世信者ら583人に対応指針に挙げられた事例に