2023年2月20日に生誕80周年を迎えた故・アントニオ猪木さん。昨年10月1日に79歳でこの世を去った燃える闘魂は、世界中の“うまいもの”を味わい尽くした美食家でもあった。50年間にわたって猪木さんを撮り続けたカメラマン・原悦生氏が、「アントニオ猪木が愛した味」をNumberWebで紹介する。(全5回の5回目/#1、#2、#3、#4へ) ◆◆◆ 都内有数のラグジュアリーホテルであるオークラ東京(The Okura Tokyo)。かつてアントニオ猪木は前身のホテルオークラ東京の別館(現在は営業終了)を定宿とし、10年ほど住んでいた。アメリカと日本を往復しながら、1年の約3分の1はオークラに泊まっていたので、「住んでいた」という表現が適切だろう。 猪木は当時、かなり長い時間をホテル内の『バー ハイランダー』で過ごしていた。「猪木に会いたければ、ハイランダーに行けばいい」と言ってもいいくらいだ