体重20キロもあったタオが小さな骨壺に収まってしまいました。 亡くなったことは悲しいですが、それでも抱きしめて顔を埋めて深呼吸して胸いっぱいに匂いをかぐことができた。それもできなくなってしまうと、悲しみや寂しさだけでなく、喪失感もいっぱいになってきました。 両親が動物好きだったので、ぼくは小さい頃から犬や猫と一緒に暮らしていました。そして大人になって仕事をし始めて独り暮らしをしてみると、圧倒的に足りないものがあることに気づきました。 でも不規則な時間になる会社員ではムリだと思ったので、独立してラブデリックを設立するとき 「この先、仕事がうまくいくかどうか分からないけれど、独立して時間の融通は利くんだから、なにがあっても犬1匹くらいはどうにかしてみせる。ちゃんと面倒を見て看取ってやる。だから犬と一緒に暮らそう」 と決めました。 ぼくの生活に圧倒的に足りないものとは犬だったのです。