高鍋農業高校の牧場で牛の世話をする生徒たち=昨年7月、宮崎県高鍋町上江 宮崎県内で猛威をふるう口蹄疫(こうていえき)。牛などを飼育している農業高校にも危機が迫る。とくに県立高鍋農業高校(高鍋町)の牧場の牛と豚は全頭、ワクチン接種のうえ殺処分の対象となる。生徒や教職員、卒業生らは悲痛な思いを抱えている。 「『牧場はどうなるとか』と、涙ながらに電話してくる卒業生もいます」。100年以上の歴史を持ち、県内の農業を牽引(けんいん)するリーダーを多数育てた高鍋農業高校。電話取材に対し、同校教員はこう話した。生徒や卒業生らから、牛たちを気遣う問い合わせが相次いでいるという。 同校の専用牧場「舞鶴牧場」では、約60頭の牛や約200頭の豚などを飼育。生徒たちが丹精込めて育てた牛のなかには、県畜産共進会でグランドチャンピオンを受賞した牛や、その子牛もいる。 国は19日、「発生農場から半径10キロ圏内