昭和期に製造されたモノコックという車体構造の旧式バスが、ファンの間で注目されている。 撮影や乗車を目的に、インターネットを通じて全国から人が集まり、専門誌が貸し切りツアーを組む例も。バス会社や自治体は「地域に埋もれた観光資源」と売り込みに励んでいる。 北海道北部の士別市にあるバス会社の士別軌道では、日野自動車が1982年に製造した「RC」という型式の車両を、平日の朝に1日1便、走らせている。大きなエンジン音と、鋲(びょう)がむき出しの車体が特徴だ。7月上旬、東京都町田市から見に来たという会社員男性(46)は「頑丈な作りと重厚なサウンドは、昭和の郷愁を感じさせる」と熱く語った。 バス会社やメーカーによると、モノコックバスは、窓を大きくしにくいといったデザイン上の制約が多く、古い車両を入れ替える際に徐々に姿を消していった。日野自動車は61~84年に数千台のRCを製造したが、営業運転している車両